セッション詳細
[SY121]シンポジウム121_認知症家族介護者の過度な感情表出に対する感情支援介入について考える
2025年6月21日(土) 8:30 〜 10:30
L会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 偕楽2)
司会:繁信 和恵(公益財団法人浅香山病院)
メインコーディネーター:繁信 和恵(公益財団法人浅香山病院)
メインコーディネーター:繁信 和恵(公益財団法人浅香山病院)
わが国の急速な高齢化に伴い、認知症患者の数は今後ますます増えると推測される。認知症のケアは2015 年に新オレンジプラン、2019 年に認知症施策推進大綱が策定され、社会的認知を得てきた。その一方で、家族は精神的負担、今後の自分たちの生活の不安などがあり、非常にストレスの高い状態にある。家族の感情表出(以下、Expressed Emotion:EE)は、家族が本人に接する際の感情表現の仕方のことである。家族の感情表出は、感情的になりすぎる状態が続くと、本人に対して「批判的コメント」、「敵意」、「感情的巻き込まれ」を示すことがある。これは、認知症者や家族に悪影響を及ぼす可能性があり、在宅生活継続が破綻することにもつながるため、感情表出は最適化する必要がある。このような過度な感情表出をExpressed Emotion(以下、高EE)といい、海外研究では概念化されている。高EE家族介護者に対しての効果的な介入方法報告は、病院等での心理療法であり、家族介護者の感情表出が問題になったときの効果的な介入方法はない。このような極めて難しい状況を打開するには、一つ一つのケースをつみあげてレジストリーを作成し、そこから介入の方略を考える必要がある。本シンポジウムでは、家族介護者の感情表出を含む多職種での登録データベース(以下、レジストリー)を作成し、高EEを生じさせる要因の分析を行った結果を報告する。更にその結果を基に感情表出によって介護に悪影響を及ぼしている家族に対し、感情表出を最適化する介入プログラムはどのようなものが良いか、新たに創出すべきかを考えらえる。またどのような職種がそれを可能にするのか、多職種で討論を行う。
[SY121-1]認知症の感情表出―EE評価と高EEの要因分析の有用性と課題
○上村 直人 (高知大学保健管理センター医学部分室)
[SY121-2]認知症患者に対する家族介護者の感情表出に関する認識と家族支援プログラムの開発
○山川 みやえ1,6, 劉 暁吉1, 金谷 玲子1, 瀧上 恵吾2, 日比 彩子1, 佐々木 早苗3, 平池 直樹5, 山口 浩二4, 竹屋 泰1, 繁信 和恵1,6 (1.大阪大学, 2.浜松医科大学, 3.ななーる訪問看護ステーション, 4.亥の子の里ケアプランセンター, 5.NPO法人ライフサポートりぼん, 6.公益財団法人浅香山病院)
[SY121-3]認知症家族における感情表出の縦断的評価:理解と支援のための新たな視点
○劉 暁吉1, 山川 みやえ1, 日比 彩子1, 金谷 玲子1,3, 勝眞 久美子3, 瀧上 恵吾4, 繁信 和恵2, 竹屋 泰1 (1.大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻看護実践開発科学講座, 2.大阪大学大学院連合小児発達学研究科行動神経学・神経精神医学, 3.ななーる訪問看護ディベロップメントセンター, 4.岐阜大学大学院医学系研究科看護学講座)
[SY121-4]認知症の人と家族介護者の心理・社会的な支援の仕組み作りを考える
○山中 克夫 (筑波大学人間系)
[SY121-5]認知症家族介護者の感情に寄り添うケアマネジメントの実践
○山口 浩司 (社会福祉法人こばと会いのこの里ケアプランセンター)