セッション詳細
[SY122]シンポジウム122_自殺未遂者の様々な支援手法の発展:ACTION-Jを超えて
2025年6月21日(土) 10:45 〜 12:45
L会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 偕楽2)
司会:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学/茨城県立こころの医療センター)、張 賢徳(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
メインコーディネーター:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学/茨城県立こころの医療センター)
サブコーディネーター:張 賢徳(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
メインコーディネーター:太刀川 弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学/茨城県立こころの医療センター)
サブコーディネーター:張 賢徳(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
自殺予防に関する委員会
精神医学が自殺予防に最も寄与できる臨床場面は自殺未遂者の再企図予防である。自殺企図は自殺の最大の危険因子であり、自殺未遂で医療機関に搬送された患者に介入し、再企図を予防することは重要である。これまでも自殺企図患者に対する自殺再企図予防のための介入方法はいくつか検討されている。
日本では、厚生労働省戦略研究として実施された自殺企図患者に対するケース・マネジメントを行う多施設共同無作為化比較試験(ACTION-J)がエビデンスとなった。ACTION-J研究では、自殺企図により救急医療施設に入院した患者に対して、心理教育や定期的な面接を実施し、精神科治療の遵守を促し、精神科医およびプライマリケア医師との予約を調整し、必要に応じて社会資源および民間の支援組織を紹介するケースマネージメント介入が行われ、通常ケアと比較して、最長6ヵ月間の自殺再企図を有意に減少させた。現在この介入手法は精神科継続支援料として診療報酬加算に至っている。
継続支援料では、総合病院で、救命救急センターを拠点に救急医と精神科医の両者が同時に関わるモデルが採用されているが、総合病院精神科の病床やスタッフは減少傾向にあり、地域によってはこのモデルの導入が難しい場合がある。また、最近増加している児童思春期の非自殺性自傷症や過量服薬では継続支援が適応しづらい場合もある。そこで本シンポジウムでは、ACTION-Jの基本を理解したうえで、1)過量服薬や非自殺性自傷症に対する短期介入手法の検討、2)児童思春期の未遂者支援、3)行政・救急と連携した未遂者支援、4)自殺未遂者レジストリー、の4つの取り組みを紹介し、様々な自殺未遂者支援の現況を共有することにより、自殺予防に関わる臨床知のアップデートを図る。
日本では、厚生労働省戦略研究として実施された自殺企図患者に対するケース・マネジメントを行う多施設共同無作為化比較試験(ACTION-J)がエビデンスとなった。ACTION-J研究では、自殺企図により救急医療施設に入院した患者に対して、心理教育や定期的な面接を実施し、精神科治療の遵守を促し、精神科医およびプライマリケア医師との予約を調整し、必要に応じて社会資源および民間の支援組織を紹介するケースマネージメント介入が行われ、通常ケアと比較して、最長6ヵ月間の自殺再企図を有意に減少させた。現在この介入手法は精神科継続支援料として診療報酬加算に至っている。
継続支援料では、総合病院で、救命救急センターを拠点に救急医と精神科医の両者が同時に関わるモデルが採用されているが、総合病院精神科の病床やスタッフは減少傾向にあり、地域によってはこのモデルの導入が難しい場合がある。また、最近増加している児童思春期の非自殺性自傷症や過量服薬では継続支援が適応しづらい場合もある。そこで本シンポジウムでは、ACTION-Jの基本を理解したうえで、1)過量服薬や非自殺性自傷症に対する短期介入手法の検討、2)児童思春期の未遂者支援、3)行政・救急と連携した未遂者支援、4)自殺未遂者レジストリー、の4つの取り組みを紹介し、様々な自殺未遂者支援の現況を共有することにより、自殺予防に関わる臨床知のアップデートを図る。
[SY122-1]過量服薬や自傷に対する短期介入手法の検討
○翠川 晴彦 (筑波大学附属病院精神神経科)
[SY122-2]思春期年代の自殺未遂者への支援
○成重 竜一郎 (日本医科大学精神医学教室)
[SY122-3]高知県における自殺未遂者支援-精神科医療と行政・救急との連携
○澤田 健, 中村 朔也, 山本 大介, 北代 晶帆, 船越 祥子, 土田 亜希, 永野 志歩 (高知県・高知市病院企業団立高知医療センター)
[SY122-4]わが国の自殺対策におけるACTION-J研究の意義
○河西 千秋 (札幌医科大学)