セッション詳細

[SY131]シンポジウム131_疾患修飾薬時代の認知症医療: 精神科の果たす役割は?

2025年6月21日(土) 8:30 〜 10:30
Q会場(神戸国際展示場 1号館 2階 展示室B)
司会:池田 学(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)、相澤 明憲(特定医療法人佐藤会弓削病院)
メインコーディネーター:池田 学(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)
認知症委員会
現在の認知症者の推計値は500万人以上、軽度認知障害(MCI)は550万人以上にのぼる。認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病(Alzheimer's disease : AD)による本邦の医療や介護のコストは年間7.4兆円、介護者のインフォーマルな介護を含めると12.6兆円にのぼることが明らかになっている。この点だけを取り上げても、的確な認知症施策と現状に即した認知症医療はわが国にとっての喫緊の課題であることは明らかである。2023年6月には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立し、9月にはADに対する疾患修飾薬といわれるレカネマブの製造販売が本邦で初めて承認され、2024年9月にはドナネマブも承認された。2000年前後に初めての抗認知症薬としてドネペジルが上市され、介護保険制度が開始された時以来の、大きな変革期が認知症診療に訪れようとしていることは間違いなさそうである。診療においては、早期からのバイオマーカーによる診断が重視されるようになり、また診断後支援や告知の意義、地域の診療ネットワークも変わってくるため、精神科医の果たすべき役割にも大きな変化が訪れることが予想される。希望と課題が浮かび上がってきつつあるなかで、認知症医療新時代における精神科医の果たすべき役割を、さまざまな立場から多角的な視点で議論してみたい。

[SY131-1]新時代の時代の認知症医療 -課題と展望-

池田 学 (大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)

[SY131-2]認知症治療における精神科医の役割再考

田口 真源 (大垣病院)

[SY131-3]認知症抗体医薬の登場によって地域連携は変化していくのか?:都市部の状況

井藤 佳恵 (東京都健康長寿医療センター研究所)

[SY131-4]超早期の告知とpre-caregiver

和氣 大成1,2 (1.聖学院大学心理福祉学部心理福祉学科, 2.慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)

[SY131-5]認知症のProdromal期における精神症状

鐘本 英輝1, 池田 学2 (1.大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター, 2.大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)