セッション詳細

[WS10]ワークショップ10_映像で学ぶ初診面接――虚しさを訴える軽症うつ病編――

2025年6月20日(金) 8:30 〜 10:10
N会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 和楽)
司会:池田 暁史(大正大学/個人開業)、中尾 智博(九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野)
メインコーディネーター:池田 暁史(大正大学/個人開業)
サブコーディネーター:中尾 智博(九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野)
精神療法研修委員会
表情、抑揚、間の取り方など、面接の技法は「手続き知識 procedural knowledge」であり、文字を通しての習得には限度がある。これらの「手続き知識」は、実際に傍で観て、自分で試してみて、ときには失敗して、といった一連のプロセスなしには修得が難しい。現在でも、先輩医師の面接に同席して学ぶ過程が不可欠な所以である。精神療法研修委員会では経験を積んだ治療者が模擬患者と面接する場面を録画し、その映像をもとに面接法を講義するワークショップを継続的に開催してきた。今回は軽症うつ病を想定し、オリエンテーションや立場の異なる3人の精神科医の模擬面接を収録する。軽症うつ病は、いくつかの大規模メタアナリシスにおいて、プラセボと抗うつ薬との間で改善効果に有意差がなく、薬物療法というよりもむしろ精神療法的かかわりが重要となる障碍であることが示唆されている。本邦では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の普及と比例するかのようにうつ病と診断される患者が増加してきた。しかし、この「増加した」といわれる患者層のある割合が非メランコリック型の軽症抑うつ症候群であることを考慮すると、SSRIによって「開拓」された患者群の一定以上の層には抗うつ薬の効果が期待できない、という逆説的な状況が生じていることが推測される。本邦のうつ病治療の主軸がさまざまな事情から薬剤調整を中心とした短時間の外来診療になりがちな現状において、軽症うつ病の外来診療に精神療法的視点をどのように取り入れていくかは喫緊の課題ともいえる。そうした患者を前にして、精神科医は初診面接でどのような点に注意して面接に臨むべきなのか。模擬面接の提示を通して、ディスカッションを深めたいと考えている。

[講演者]映像で学ぶ初診面接――虚しさを訴える軽症うつ病編――

岩木 久満子 (顕メンタルクリニック)

[講演者]映像で学ぶ初診面接――虚しさを訴える軽症うつ病編――

藤山 直樹 (個人開業)

[講演者]映像で学ぶ初診面接――虚しさを訴える軽症うつ病編――

大野 裕 (大野研究所)

[講演者]映像で学ぶ初診面接――虚しさを訴える軽症うつ病編――

吾妻 壮 (上智大学)