セッション詳細

[PS3]会長企画シンポジウム3_精神科医療の価値をどう可視化するか――診療報酬をめぐる対話

2026年6月18日(木) 16:30 〜 18:30
B会場(パシフィコ横浜ノース 1F G5)
司会:水野 雅文(社会医療法人あさかホスピタル)、佐久間 啓(社会医療法人あさかホスピタル)
メインコーディネーター:水野 雅文(社会医療法人あさかホスピタル)
サブコーディネーター:佐久間 啓(社会医療法人あさかホスピタル)
【英→日または日→英AI翻訳あり】
精神科医療の特徴は、長期的・継続的な関わりと非薬物的介入に重きを置く点にある。患者との信頼関係の構築、生活全般への支援、家族や地域との連携など、精神科医療の本質的価値は必ずしも短期的な症状改善として測定できるものではない。しかし現在の診療報酬体系は、疾患構造の変化や地域移行の流れに十分対応できておらず、診療所・病院・研究教育機関それぞれの立場で報酬インセンティブの在り方に温度差が存在する。その結果、医療提供の偏りや、本来評価されるべき医療行為が適切に評価されない状況が生じている。本シンポジウムでは、厚生労働省、日本医師会、実臨床現場から著名な登壇者を迎え、精神科医療の価値をどのように可視化し、制度的に支えていくべきかについて多角的に議論する。精神科医療の"価値"をどう捉えるかは立場によって異なる視点がありうる。症状軽減という医学的アウトカムだけでなく、関係性の継続、生活支援、社会復帰支援といった要素をどう評価するか。患者・家族などの支援者のQOL向上、社会機能の回復、再発予防といった中長期的成果をどう測定し、制度に反映させるかも課題となろう。精神科特有の長期的関わりをどう評価するかも重要なテーマである。糖尿病や高血圧などの慢性疾患とは異なり、精神科では治療関係そのものが治療的意味を持つ。短期的指標では測れない「継続支援」の価値をどう考えるか、長期通院患者への関与をどう位置づけるかについて、制度設計側と臨床現場で認識の差があるかもしれない。非薬物的アプローチの報酬上の扱いも論点となる。面接、訪問診療、家族支援、地域連携、多職種ケース会議、福祉的支援など、医療行為として明示されにくい活動が精神科医療の質を支えているが、これらをどう評価すべきか。また診療所・病院・研究機関という立場間で報酬インセンティブに格差が生じている実態をどう考えるか。報酬体系が医療提供行動に与える影響についても検討が必要であろう。地域移行・地域包括ケア時代における診療報酬の在り方も避けて通れない課題である。精神病床削減、在宅支援強化、福祉連携推進という政策方向性と報酬制度の整合性をどう図るか。診療報酬と地域補助金の役割分担や連携についても議論の余地がある。さらに精神科医療の「可視化」と社会への説明をどう進めるかも重要である。アウトカム指標の開発、患者満足度の測定、医療経済的効果の提示など、説得力ある根拠をどう構築するかについても、登壇者それぞれの視点から議論が展開されることが期待される。次回診療報酬改定を見据え、制度設計の視点と実臨床の視点、さらには異なる医療提供の場からの多様な意見を通じて、精神科医療の真の価値を社会に示し、持続可能な医療提供体制の構築に向けた建設的議論を展開したい。

[PS3-1]精神科医療の価値はどのように評価されてきたのか ―診療報酬改定の歩みとこれから―

林 修一郎 (厚生労働省保険局医療課)

[PS3-2]令和8年度診療報酬改定と精神科医療への期待:日本医師会の立場から

黒瀨 巌 (公益社団法人日本医師会)

[PS3-3]精神保健医療福祉の施策推進に関する方向性の進捗報告

長瀬 幸弘 (医療法人社団東京愛成会高月病院)

[PS3-S1]指定発言

北村 立 (石川県立こころの病院)