セッション詳細
[SY13]シンポジウム13_AIアライメントと精神病理学の交差点 - AI時代の逸脱する知とこころ
2026年6月18日(木) 10:40 〜 12:40
G会場(パシフィコ横浜ノース 3F G301+G302)
司会:山下 祐一(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第七部)、前田 貴記(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)
メインコーディネーター:山下 祐一(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第七部)
サブコーディネーター:前田 貴記(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)
メインコーディネーター:山下 祐一(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第七部)
サブコーディネーター:前田 貴記(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)
生成AI(特に対話型AI)が社会のあらゆる場面に浸透するなかで、AIとの相互作用が人の精神状態に影響を及ぼす可能性が注目されている。AIとの過剰な対話や没入的使用を契機に精神症状が出現・悪化する事例が報告され、「AIによって誘発される精神障害」という概念への社会的関心は急速に高まっている。精神医学的には、その多くは、対人交流や既存メディアによる刺激と連続的に理解できる一方で、AIが「応答的で擬人的な他者」として作用する点において、新しい心理社会的力学が介在している可能性がある。
AIの急速な進歩に関するもう一つの重要な視点は、AIがいかに人間社会の価値や意図から逸脱しうるか、という問題である。この逸脱の制御を目指すのが「AIアライメント」研究であり、AI開発をリードする企業や研究機関が、近年最重要課題として掲げている。AIが人間の価値観や精神的安定を損なわないよう調整するこの試みは、「知的システムの逸脱とその是正」という課題にほかならない。すなわち、AIアライメントの問題は、人工的知能における「計算の病理」として捉えることができ、それは思考・感情・行動の逸脱を理解しようとする精神病理学や、脳計算の変調をモデル化する計算論的精神医学と深く呼応している。
そこで本シンポジウムでは、①メンタルヘルスチャットボット開発における社会実装とリスクマネジメントの課題、②AIアライメント研究における知的システムの安定性と逸脱の問題、③精神病理学的観点からのAI媒介的精神障害の検討、④計算論的精神医学の立場からの計算の病理/AI病理概念の提案、の4つの視点から議論を展開する。まず、メンタルヘルスチャットボット開発の現場から、ユーザーとの相互作用の倫理的・心理的リスクや依存・共感設計など、社会実装上の課題を提示する。次に、AIアライメントの立場から、仕様問題や報酬設計の失敗など知的システムの逸脱メカニズムを整理し、超知能のリスクも視野に逸脱制御の理論的課題を議論する。続いて、精神病理学の立場から、AIとの対話や没入がもたらす主体性や現実感の変容といった「AI媒介的精神障害」を検討し、AIが擬人的他者として介入する心理社会的力学を問う。最後に、計算論的精神医学の立場から、AIアライメントの失敗を計算の病理として捉え、脳における学習・価値更新の変調と対照しながら、「AI病理」という統合理論の可能性を提示する。
これらの視点は、異なる専門性を背景にしながらも、「知と心の逸脱をいかに理解し、制御し、支えるか」という共通の問題設定によって結びついている。本シンポジウムは、AIが「新たな社会的他者」として人の心に介入する時代において、精神病理学・計算論的精神医学・AIアライメント研究、そしてメンタルヘルス技術の社会実装の実践知が交わることで、リスク管理を超えた人間理解とAI設計の新しい知の地平・社会実装の展望を探ることを目的とする。
AIの急速な進歩に関するもう一つの重要な視点は、AIがいかに人間社会の価値や意図から逸脱しうるか、という問題である。この逸脱の制御を目指すのが「AIアライメント」研究であり、AI開発をリードする企業や研究機関が、近年最重要課題として掲げている。AIが人間の価値観や精神的安定を損なわないよう調整するこの試みは、「知的システムの逸脱とその是正」という課題にほかならない。すなわち、AIアライメントの問題は、人工的知能における「計算の病理」として捉えることができ、それは思考・感情・行動の逸脱を理解しようとする精神病理学や、脳計算の変調をモデル化する計算論的精神医学と深く呼応している。
そこで本シンポジウムでは、①メンタルヘルスチャットボット開発における社会実装とリスクマネジメントの課題、②AIアライメント研究における知的システムの安定性と逸脱の問題、③精神病理学的観点からのAI媒介的精神障害の検討、④計算論的精神医学の立場からの計算の病理/AI病理概念の提案、の4つの視点から議論を展開する。まず、メンタルヘルスチャットボット開発の現場から、ユーザーとの相互作用の倫理的・心理的リスクや依存・共感設計など、社会実装上の課題を提示する。次に、AIアライメントの立場から、仕様問題や報酬設計の失敗など知的システムの逸脱メカニズムを整理し、超知能のリスクも視野に逸脱制御の理論的課題を議論する。続いて、精神病理学の立場から、AIとの対話や没入がもたらす主体性や現実感の変容といった「AI媒介的精神障害」を検討し、AIが擬人的他者として介入する心理社会的力学を問う。最後に、計算論的精神医学の立場から、AIアライメントの失敗を計算の病理として捉え、脳における学習・価値更新の変調と対照しながら、「AI病理」という統合理論の可能性を提示する。
これらの視点は、異なる専門性を背景にしながらも、「知と心の逸脱をいかに理解し、制御し、支えるか」という共通の問題設定によって結びついている。本シンポジウムは、AIが「新たな社会的他者」として人の心に介入する時代において、精神病理学・計算論的精神医学・AIアライメント研究、そしてメンタルヘルス技術の社会実装の実践知が交わることで、リスク管理を超えた人間理解とAI設計の新しい知の地平・社会実装の展望を探ることを目的とする。
[SY13-1]対話型生成AIのメンタルヘルス応用の実態と社会実装にともなう課題
高階 光梨1, 姜 静愛1,2,3, 武井 友紀1 (1.株式会社Awarefyこころの総合研究所, 2.新潟大学大学院現代社会文化研究科, 3.カウンセリングルーム Figlab)
[SY13-2]AGIとオーガニックアライメント
高橋 恒一1,2 (1.AIアライメントネットワーク, 2.理化学研究所)
[SY13-3]主体性の精神病理から考えるAI Psychosisとその予防方略
前田 貴記 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)
[SY13-4]計算論的精神医学とAIアライメントの融合:「知能システム病態学」の創出に向けて
山下 祐一 (国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第七部)
