セッション詳細

[SY14]シンポジウム14_次世代の精神医療に向けた新規の治療・評価法開発

2026年6月18日(木) 14:15 〜 16:15
G会場(パシフィコ横浜ノース 3F G301+G302)
司会:渡邊 衡一郎(杏林大学医学部精神神経科学教室)、髙木 学(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学教室)
メインコーディネーター:内野 敬(東邦大学医学部社会実装精神医学講座)
サブコーディネーター:渡邊 衡一郎(杏林大学医学部精神神経科学教室)、髙木 学(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学教室)
精神疾患に伴う心理的苦痛や経済的損失は、現在の社会においても依然として深刻である。1950年代にクロルプロマジンが上市されたことに続く各種向精神薬の開発や、1980年代にDSM-Ⅲが刊行されたことに始まる操作的診断基準の普及など、精神疾患の診断や治療を取り巻く状況は日々進歩を遂げてきた。しかし現在もなお、例えばうつ病における寛解率の低さや統合失調症におけるリカバリー率の低さに示されるように、現代の精神医療が当事者のニーズに十分応えられているとは言い難い。そのため、従来の概念にとらわれず、新たな知見を基にした精神疾患の評価や治療、さらにはサービス提供体制を確立していく必要がある。かつてのクロルプロマジンやDSM-Ⅲの登場は、精神疾患の治療や診断におけるブレイクスルーになったとも言えるであろうが、次世代の精神医療、ひいては次世代の社会に向けては、果たしてどのような変革の可能性があるのであろうか。
本シンポジウムでは、各専門分野から、現在進行している新規の治療・評価法開発に関連する話題を紹介し、最新のトピックスを概観する。順番に、(1)「新規作用機序医薬品開発を目指した基礎臨床研究 ~難治性疾患への挑戦(髙木学)」では、自己免疫性精神疾患、神経性やせ症、アルコール依存症の治療薬開発への挑戦を説明する。(2)「最先端技術を用いた精神医療サービスの構築 ~ロボット・IoTの活用(熊崎博一)」では、現在まで発達障害へのロボット支援研究を進めてきた児童精神科医が、ロボット支援の治療可能性について説明する。(3)「日本人の文化背景を考慮した認知機能評価法 ~当事者のニーズに着目して(内野敬)」では、疾患横断的な中間表現型として注目される社会認知について、わが国で使用可能な評価法および当事者の抱える治療ニーズについて説明する。(4)「医薬品・医療機器の安全性・有効性の評価法 ~ドラッグロス解消を目指す(池澤聰)」では、精神神経疾患領域における開発動向や近年の臨床試験の特徴を概説するとともに、新規化合物が既存薬と異なる有効性・安全性プロファイルを示す可能性を踏まえ、適切な評価法と安全管理の重要性について説明する。(5)「新規作用機序医薬品を用いた治験の最新動向 ~脱モノアミン時代の到来(渡邊衡一郎)」では、近年注目されている統合失調症治療におけるムスカリン受容体作用薬の開発、うつ病治療における麻酔薬ケタミンを参考にしたグルタミン酸受容体作用薬やGABA受容体作用薬の開発など、脱モノアミン時代の新たなる展開について説明する。最後に、若手精神科医が見る次世代の精神医療をテーマに指定発言(宮野史也)を行う。
現状の未解決疑問と課題からアンメットメディカルニーズを整理し、次世代の社会に向けた新規の治療・評価法開発について多角的な視点で議論を行う。

[SY14-1]新規作用機序医薬品開発を目指した基礎臨床研究 ~難治性疾患への挑戦

髙木 学1, 酒本 真次1, 橋本 望2, 樋之津 健二3, 大矢 芳男4, 浅田 貴大4, 横出 晃能4 (1.岡山大学学術研究院医歯薬学域精神神経病態学, 2.地方独立行政法人岡山県精神科医療センター, 3.岡山大学病院医療技術部総合リハビリテーション部門, 4.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学)

[SY14-2]AI・ロボット・アバターを活用した精神科医療の新しい評価と治療― 臨床応用への挑戦

熊﨑 博一 (長崎大学医学部精神神経科学教室)

[SY14-3]日本人の文化背景を考慮した社会認知評価法 ~当事者のニーズに着目して

内野 敬 (東邦大学医学部社会実装精神医学講座)

[SY14-4]医薬品・医療機器の安全性・有効性の評価法 ~ドラッグロス解消を目指す

池澤 聰 (医薬品医療機器総合機構新薬審査第三部/プログラム医療機器審査部)

[SY14-5]向精神薬における「脱モノアミン」の流れ

渡邊 衡一郎 (杏林大学医学部精神神経科学教室)

[SY14-S1]指定発言

宮野 史也 (北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室)