セッション詳細
[SY15]シンポジウム15_通信機器やメタバース空間を用いた精神医学的アプローチ~対面での治療・支援を超えて
2026年6月18日(木) 16:30 〜 18:30
G会場(パシフィコ横浜ノース 3F G301+G302)
司会:横山 太範(医療法人社団心劇会さっぽろ駅前クリニック北海道リワークプラザ)、澤田 欣吾(東京大学相談支援研究開発センター)
メインコーディネーター:横山 太範(医療法人社団心劇会さっぽろ駅前クリニック北海道リワークプラザ)
サブコーディネーター:野村 健介(社会福祉法人日本心身障害児協会島田療育センター)
メインコーディネーター:横山 太範(医療法人社団心劇会さっぽろ駅前クリニック北海道リワークプラザ)
サブコーディネーター:野村 健介(社会福祉法人日本心身障害児協会島田療育センター)
近年、通信技術やメタバースなどのデジタル空間を活用した精神医療・心理支援が急速に発展している。オンライン診療や医療アプリはすでに一定の普及を見せているが、従来の議論ではしばしば「対面治療の代替」「やむを得ない補完手段」として捉えられてきた。しかし現場の実践や研究は、これらが単なる代替ではなく、むしろ対面を超える新たな治療的可能性を内包していることを示し始めている。本シンポジウムでは、この新しい潮流を「通信機器やメタバース空間を用いた精神医学的アプローチ~対面での治療・支援を超えて~」という視点から多角的に検討する。
まず松村(株式会社BiPSEE代表・心療内科医)から、医療アプリやメタバース空間を用いた臨床応用の現状について報告がなされる。依存症や発達障害、ひきこもり支援などにおけるデジタル医療機器の開発と社会実装の取り組みを紹介し、通信技術がもたらす医療の新たな形を展望する。続いて清水栄司(千葉大学)より、デジタル認知行動療法(digital CBT)を用いた心理的支援の可能性が示される。特に不眠症を中心とした臨床応用の知見を通じ、デジタル化が治療アクセスを拡げるだけでなく、患者の行動変容を促進する側面を議論する。
さらに鳴海拓志(東京大学)からは、アバターを介した自己変容に関する「プロテウス効果」の研究などを基に、バーチャルリアリティが人の「身体とこころ」をどのように拡張し得るかを紹介する。メタバース空間内での自己表現や身体感覚の変化が心理的支援や治療に与える影響を、実証的な視点から検討する。
続いて横山太範(さっぽろ駅前クリニック)より、成人発達障害者を対象にメタバース空間内で行っているサイコドラマ実践の研究成果を報告する。メタバース空間内では患者はアバターの姿で参加するのだが、その事によって参加のハードルが下がり、日常生活では困難であった社会的相互作用や感情表出が促進され、結果として自己理解・他者理解が可能となる過程を示し、対面を超えた集団心理療法の可能性を提示する。最後に加藤隆弘(北海道大学)が、ひきこもりや受診困難な患者に対するメタバース支援の試みを紹介する。福岡市や北海道における実践を通じ、医療機関にアクセスしにくい当事者をデジタル空間で包摂する仕組みの構築を論じる。
これらの発表を通じ、本シンポジウムでは「オンライン・メタバース=対面の劣化版」という発想を超え、"デジタルならではの関係性と治療的リアリティ"を議論の中心にすえ、対面での治療・支援を凌駕する可能性について言及したい。同時に、対面では届かなかった人々に支援を届け、社会の包摂構造そのものを拡張する精神医学の新しい地平を探る試みとなると考える。
まず松村(株式会社BiPSEE代表・心療内科医)から、医療アプリやメタバース空間を用いた臨床応用の現状について報告がなされる。依存症や発達障害、ひきこもり支援などにおけるデジタル医療機器の開発と社会実装の取り組みを紹介し、通信技術がもたらす医療の新たな形を展望する。続いて清水栄司(千葉大学)より、デジタル認知行動療法(digital CBT)を用いた心理的支援の可能性が示される。特に不眠症を中心とした臨床応用の知見を通じ、デジタル化が治療アクセスを拡げるだけでなく、患者の行動変容を促進する側面を議論する。
さらに鳴海拓志(東京大学)からは、アバターを介した自己変容に関する「プロテウス効果」の研究などを基に、バーチャルリアリティが人の「身体とこころ」をどのように拡張し得るかを紹介する。メタバース空間内での自己表現や身体感覚の変化が心理的支援や治療に与える影響を、実証的な視点から検討する。
続いて横山太範(さっぽろ駅前クリニック)より、成人発達障害者を対象にメタバース空間内で行っているサイコドラマ実践の研究成果を報告する。メタバース空間内では患者はアバターの姿で参加するのだが、その事によって参加のハードルが下がり、日常生活では困難であった社会的相互作用や感情表出が促進され、結果として自己理解・他者理解が可能となる過程を示し、対面を超えた集団心理療法の可能性を提示する。最後に加藤隆弘(北海道大学)が、ひきこもりや受診困難な患者に対するメタバース支援の試みを紹介する。福岡市や北海道における実践を通じ、医療機関にアクセスしにくい当事者をデジタル空間で包摂する仕組みの構築を論じる。
これらの発表を通じ、本シンポジウムでは「オンライン・メタバース=対面の劣化版」という発想を超え、"デジタルならではの関係性と治療的リアリティ"を議論の中心にすえ、対面での治療・支援を凌駕する可能性について言及したい。同時に、対面では届かなかった人々に支援を届け、社会の包摂構造そのものを拡張する精神医学の新しい地平を探る試みとなると考える。
[SY15-1]医療用アプリ、特にメタバース空間を用いた臨床応用の現状と課題、そして可能性
松村 雅代 (株式会社BiPSEE、高知大学医学部)
[SY15-2]デジタル認知行動療法の社会実装の必要性
清水 栄司 (千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学)
[SY15-3]バーチャルリアリティによる身体とこころの拡張と精神医学領域における可能性
鳴海 拓志 (東京大学)
[SY15-4]成人発達障害者を対象としたサイコドラマの治療実践について
横山 太範 (医療法人社団心劇会さっぽろ駅前クリニック北海道リワークプラザ)
[SY15-5]アクセス困難なひきこもり当事者および家族に対するメタバースやバーチャル・リアリティ(VR)の活用
加藤 隆弘 (北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室)
