講演情報

[P15-01]通所リハビリテーションを利用する脳卒中片麻痺者の生活空間に関連する因子の探索

*黒澤 啓志1、荒木 草太3、石井 麻美1、奥村 和美1、芝崎 淳1,2、柴田 里奈1、中川 達裕1,4、渡辺 和良1 (1. 総合南東北病院 リハビリテーション科、2. 介護老人保健施設サニーホーム、3. 東北福祉大学 健康科学部、4. 東北大学大学院 医学系研究科臨床障害学分野)
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キーワード:

Life Space Assessment、脳卒中片麻痺者、生活空間

【はじめに】
脳卒中片麻痺者は歩行能力が低下すると、生活範囲の縮小に関連する(田代ら 2019)。実生活での活動範囲を評価するLife Space Assessment(LSA)は、生活の質を反映する重要なアウトカムである。また、脳卒中片麻痺者においては、歩行中のTrailing Limb Angle(TLA)が「移動の自立度」と関連するとされている(野本ら 2020)。一方で、獲得した歩容が実際の生活空間と関連するかを検討した報告は少ない。 移動の自立度を超え、生活空間に関与する歩容の特徴を明らかにすることは、臨床における歩行トレーニングを実施する上で有用である。 本研究の目的は、生活空間と身体機能、心理面・QOL、歩行能力、および歩容関連指標との関連性を探索することとした。
【方法】 
対象は、当院の通所リハビリテーションを利用中の脳卒中片麻痺者16名とした。除外基準は下肢骨折の既往、およびFunctional Ambulation Categoliese3以下とした。測定項目は、主要アウトカムをLSAとし、身体機能として下肢Fugel-Meyer Assessment(下肢FMA)、非麻痺側握力、麻痺側下肢筋力、Short Physical Performance Battery(SPPB)を評価した。心理面・QOL指標として自己効力感(ABC-J)、EQ-5Dを聴取した。また、歩行は慣性センサーを用い計測した。快適歩行速度、ケイデンス、ストライド長、および歩容の代表値として歩行周期中の各関節角度、TLAの最大値を算出した。統計解析は、LSAと各項目間のSpearmanの相関係数を算出した。LSAと歩容の関係性を明らかにするために歩行速度を制御変数としたLSAと関節角度の偏相関分析を実施した。有意水準は5%未満とした。
【結果】
母集団の平均年齢は67.5±8.7歳、男性11名、女性5名であった。下肢FMAの平均スコアは25.0±6.5点であった。短下肢装具の装着者は9名であった。LSAと有意な正の相関を認めたのは、下肢FMA(ρ = 0.719)、SPPB(= 0.767)、快適歩行速度(ρ = 0.706)、麻痺側TLA(ρ = 0.750)であった。快適歩行速度を制御変数としたLSAと関節角度の偏相関分析では、全ての関節角度で有意な相関は認めなかった。
【考察】
LSAは身体機能、歩行能力、および歩行中の関節角度と有意に相関した。歩行速度を制御した関節角度との偏相関分析においては有意な相関関係を認めなかったことから、TLA等の増大が直接LSAと関連するのではなく、歩行速度の向上を介して間接的に寄与している可能性が示唆された。
【結論】
 脳卒中片麻痺者の生活空間には、歩行速度の改善が重要であり、歩行中の立脚期に着目した理学療法が重要である。
【倫理的配慮と説明と同意】
ヘルシンキ宣言に基づき、対象者に研究の趣旨と目的を説明し、書面にて同意を得た。本研究は総合南東北病院倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:R7-A015)。

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