講演情報
[P13-01]要介護高齢者に対し、評価に基づく介護者の役割変化が介護負担感軽減に至った訪問リハビリテーションの一例
*田中 智也1 (1. 実のなる家訪問看護ステーション)
キーワード:
介護負担感、家族の役割、役割変化
【はじめに】 要介護者の家族には介護の役割を果たしつつ、家族の生活や家族関係を保持するための支援が必要と報告されている。介護の役割が過剰になると家族の役割を喪失すると報告されているが、介護者の役割変化に対する介護負担感の推移に着目した報告は少ない。本報告の目的は、評価に基づく介護者の役割変化が介護負担感に与える影響を検討することである。 【症例紹介】 事例は夫の介護を担う70歳代妻と50歳代娘である。長期入院後に訪問リハビリが開始(X日)となった。事例は夫の夜間覚醒や大声、日常生活全般の介護に負担を訴えた。事例の介護負担感の評価としてBurden Index Caregiver(以下BIC-11)、介護者の肯定的評価として介護マスタリーを用いた。評価後に介護の捉え方や役割について聴取を行った。 【介入内容と結果】 X+30日の夫のFIMは45点、BIC-11は妻28点、娘21点、介護マスタリーは妻18点、娘15点であった。また、妻は「何度も呼ばれるとしんどい」、娘は「すぐに呼ぶため常に見守りが必要」と訴えた。娘は昼夜共に積極的に介護へ参加、妻は仕事以外の時間で介護へ参加した。X+120日のFIMは46点、BIC-11は妻24点、娘22点、介護マスタリーは妻21点、娘10点で娘の介護マスタリー低下を認めた。また、妻は「介護は苦にならず慣れてきた」と肯定的、娘は「近くにいるとイライラする」と否定的な発言を認めた。評価結果を基に、介護の役割について話し合いを行った。時間的負担には夫の日中独居時間の延長、夜間覚醒には医師へ相談、ケアには妻の参加頻度を増やすこととした。X+210日のFIMは47点、BIC-11は妻18点、娘12点、介護マスタリーは妻20点、娘16点と改善を認めた。また、妻は「一人で過ごしてくれる時間が増えて楽になった」、娘は「自分の時間がとれるようになった」と双方に肯定的な発言を認めた。 【考察】 娘は積極的に介護へ参加していたが、時間的負担や精神的ケアの継続は介護負担感が増大すると考えた。一方、妻は時間的負担を感じていたが、介護に対して肯定的な発言も認めたため、介護の役割を見直せると考えた。日中独居時間の確保や介護の役割を変化させることで、介護負担感の軽減につながったと考える。介護を担う家族内の役割を固定化せず、評価に基づき見直しを行うことが重要であると考える。 【倫理的配慮、説明と同意】 本報告に際して、プライバシーへの配慮と個人情報保護に留意し、本人に口頭と書面にて説明を行ったうえで同意を得た。
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