講演情報
[O3-01]屋内移動可能な訪問リハビリテーション利用者における「準寝たきり・寝たきり」の段階別特徴
*荒巻 吏志1,2、堤 千代3、服部 寛士1,2、泉 清徳1、古賀 さとみ2 (1. 社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 リハビリテーション室、2. 社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア訪問看護ステーション、3. 聖マリア学院大学 看護学部 看護学科)
キーワード:
訪問リハビリテーション、準寝たきり、寝たきり度
【はじめに,目的】寝たきり度は,訪問リハビリテーション(訪問リハ)における重要な評価指標であり,準寝たきりのうちA1は状態悪化リスクが高く,A2では生存率が低いことが報告されている.在宅療養者における寝たきり度の生活機能特性や訪問リハ介入上の着眼点については十分に検討されていない.本研究は,訪問リハ利用者を対象にA1・A2・Bの段階別特徴を明らかにし,寝たきりを防止する訪問リハの一助とすることを目的とした.
【方法】2024年2月~2026年1月にA訪問看護ステーションで訪問リハを利用した要支援1~要介護4のうち,屋内移動可能で評価欠損のない132名を対象とした横断研究である.調査項目は基本属性,認知症自立度,家族構成,移動形態(独歩,杖歩行,伝い歩行,歩行器,車椅子),転倒歴,入院歴とし,機能評価は握力,5回立ち座りテスト,FIM,Life Space Assessment(LSA),老研式活動評価表(老研式)とした.統計解析は,寝たきり度の段階順に隣接カテゴリー間をFisherの正確検定,Mann-Whitney U検定で比較し,A1とA2の判別指標をROC解析にて検討した.有意水準はp<0.05とした.
【結果】対象はA1(72名),A2(37名),B(23名).隣接カテゴリー間比較においてA1とA2は,家族構成(独居:19.4%vs2.7%),移動形態(最多A1:伝い歩行,A2:歩行器),握力,LSA,FIM運動,老研式(手段・合計)に有意差が認めた.ROC解析では握力17.0kg,AUC 0.69,LSA22.0点,AUC 0.70,FIM運動65.0点,AUC 0.74,効果量 r=0.23~0.30が抽出された.A2とBの比較では,認知症自立度,FIM運動,老研式(知的能動性)に有意差が認めた(r=0.29~0.47).
【考察,結論】初回在宅評価により,医療機関の環境下では捉えにくい生活空間,家族支援,活動実態が明らかとなった.A2はA1より握力・FIM運動・LSA・老研式が低値を示し,家族構成や移動形態の差異が認められた.これは身体活動の違いにとどまらない可能性がある.一方,BはA2より認知機能低下が顕在化していた. 特にA1とA2の境界が在宅生活継続に関わる特徴がみられた.A1では独居率が高く不安定な伝い歩行を選択する一方,A2では独居率の低さと歩行器使用が特徴的であった.これはA2レベルの機能の低さが支援体制の有無によって在宅生活の継続に影響を受ける可能性を示唆している.訪問リハの役割は,初回訪問時にA段階を同定した際,独居・移動形態を併せて評価することにある.これにより,在宅破綻のリスクを早期に捉え,支援の必要性が表面化しにくいA段階での寝たきりを予防することが重要であると考える.
【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当院の研究審査委員会の承認のもと実施された(承認番号:23-0104).利用者には説明と同意を行い個人情報に十分配慮して実施した.
【方法】2024年2月~2026年1月にA訪問看護ステーションで訪問リハを利用した要支援1~要介護4のうち,屋内移動可能で評価欠損のない132名を対象とした横断研究である.調査項目は基本属性,認知症自立度,家族構成,移動形態(独歩,杖歩行,伝い歩行,歩行器,車椅子),転倒歴,入院歴とし,機能評価は握力,5回立ち座りテスト,FIM,Life Space Assessment(LSA),老研式活動評価表(老研式)とした.統計解析は,寝たきり度の段階順に隣接カテゴリー間をFisherの正確検定,Mann-Whitney U検定で比較し,A1とA2の判別指標をROC解析にて検討した.有意水準はp<0.05とした.
【結果】対象はA1(72名),A2(37名),B(23名).隣接カテゴリー間比較においてA1とA2は,家族構成(独居:19.4%vs2.7%),移動形態(最多A1:伝い歩行,A2:歩行器),握力,LSA,FIM運動,老研式(手段・合計)に有意差が認めた.ROC解析では握力17.0kg,AUC 0.69,LSA22.0点,AUC 0.70,FIM運動65.0点,AUC 0.74,効果量 r=0.23~0.30が抽出された.A2とBの比較では,認知症自立度,FIM運動,老研式(知的能動性)に有意差が認めた(r=0.29~0.47).
【考察,結論】初回在宅評価により,医療機関の環境下では捉えにくい生活空間,家族支援,活動実態が明らかとなった.A2はA1より握力・FIM運動・LSA・老研式が低値を示し,家族構成や移動形態の差異が認められた.これは身体活動の違いにとどまらない可能性がある.一方,BはA2より認知機能低下が顕在化していた. 特にA1とA2の境界が在宅生活継続に関わる特徴がみられた.A1では独居率が高く不安定な伝い歩行を選択する一方,A2では独居率の低さと歩行器使用が特徴的であった.これはA2レベルの機能の低さが支援体制の有無によって在宅生活の継続に影響を受ける可能性を示唆している.訪問リハの役割は,初回訪問時にA段階を同定した際,独居・移動形態を併せて評価することにある.これにより,在宅破綻のリスクを早期に捉え,支援の必要性が表面化しにくいA段階での寝たきりを予防することが重要であると考える.
【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当院の研究審査委員会の承認のもと実施された(承認番号:23-0104).利用者には説明と同意を行い個人情報に十分配慮して実施した.
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