講演情報

[P14-02]ケアマネジメントに直結するASCOTを用いた多職種連携~神経難病患者の一事例における個別間接支援の検討~

*藤田 宗行1、武 昂樹1、松下 太一1 (1. 北斗わかば病院 リハビリテーション部)
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キーワード:

生活の質、多職種連携、ケアマネジメント

【はじめに】在宅ケアでは、ケアマネジメントの中核を担うケアマネジャー(以下、CM)との協働が重要である。なかでも在宅神経難病患者のQOL維持には多職種連携による包括的ケアが不可欠であり、病状の進行に応じ、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)による個別直接支援から、多職種と連携した個別間接支援への展開が求められる。the Adult Social Care Outcomes Toolkit(以下、ASCOT)は社会的ケア関連QOLの評価指標として活用されているが、多職種連携への応用報告は少ない。本報告の目的は、ASCOTを用いたQOL評価の共同解釈をCMとの個別間接支援に応用し、その有用性を検討することである。
【事例紹介】事例は60歳代女性、進行性核上性麻痺、要支援2。夫・義父と同居。介入初期はBarthel Index95点と概ね自立していたが、頻回な転倒を認めた。訪問リハによる環境調整や動作指導で転倒は減少したが、病状進行に伴いADL低下と介護負担が増大し、個別直接支援のみではQOL維持に限界があった。
【介入内容と結果】介入開始8か月後よりASCOTを用いた個別間接支援を開始した。初回はレーダーチャート化した結果と本人の想いをCMへ提示し共同解釈を行った。その結果、日常生活維持への意向が共有された。CMからは「以前デイケア利用を提案したが断られている」との発言があったが、共同解釈を通じて本人の想いを再認識し、デイケア導入に至った。5か月後の再評価では介助への遠慮という心理面が明らかとなり、入浴サービスが調整された。さらに病状進行期の再評価では、ASCOTの多くの領域で低下を認めたが、「飲食」は維持され楽しみとなっていた。訪問リハ側が低下領域への対応を課題と捉える中、レーダーチャートと本人の想いの共有を通じてCMは「飲食」に着目し、楽しみの維持を目的として言語聴覚士の訪問が導入された。一連の過程で、CMの意思決定が促進され、維持領域にも着目するポジティブな視点の変化が認められた。
【考察】本事例の新規性は、本来アウトカム指標であるASCOTを、多職種連携における個別間接支援へ応用した点にある。その有用性として、①介護サービスと関連する生活領域を扱う特性から、ケアマネジメントに直結した情報共有が可能となったこと、②病期変化時や個別直接支援が行き詰まる局面において多職種連携へ展開する契機となったこと、③レーダーチャートによる視覚化と本人の想いの共有により、低下領域だけでなく維持された価値や楽しみにも着目でき、CMの意思決定を促進したこと、の3点が示された。以上より、ASCOTを用いたQOL評価の共同解釈は、在宅神経難病患者のQOL維持に資する個別間接支援の一手法として有用性が示唆された。今後は、進行性かつ根治困難な疾患への適用や活用タイミングの整理を進め、多職種連携の実践モデル構築につなげていきたい。
【倫理的配慮】本報告にあたり事例の個人情報保護について説明し、書面にて同意を得ている。

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