講演情報
[P10-01]地域在住高齢女性における過去1年間の転倒経験と5回椅子立ち上がりテストの関連:年齢調整後の検討
*知名 規人1、若菜 翔哉2、長島 裕子2、金子 巧2、松林 義人3、西倉 尊2 (1. 新潟リハビリテーション大学 医療学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻、2. 新潟リハビリテーション大学 医療学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻、3. 名古屋葵大学 医療科学部 理学療法学科)
キーワード:
転倒経験、5回椅子立ち上がりテスト(SS-5)、地域在住高齢女性
【はじめに、目的】
5回椅子立ち上がりテスト(Five Times Sit-to-Stand test; 以下,SS-5)は,下肢筋パワーや動的バランス能力を簡便に評価できる指標であり,転倒との関連が報告されている.一方,SS-5は加齢の影響を受けやすいため,年齢を考慮した検討が必要である.本研究の目的は,地域在住高齢女性を対象に,年齢調整後の過去1年間の転倒経験とSS-5との関連を検討することである.
【方法】
対象は,老人クラブ連合会が主催する健康づくり活動に参加した70歳以上の地域在住高齢女性33名とし,欠損値のあった1名を除外した32名を解析対象とした.調査項目は基本属性に加え,身体機能として握力,歩行速度,SS-5を測定した.統計解析では,各変数の正規性および等分散性を確認した後,過去1年間の転倒経験の有無によるSS-5の群間比較に主解析としてStudentのt検定を用いた.続いて,効果量(Cohen’s d)と95%信頼区間(95%CI)を算出した.また,転倒あり群のサンプルサイズが小さく,正規性の検定結果が有意水準付近であったため,感度分析としてWilcoxon順位和検定を実施した.加えて,年齢を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を実施し,年齢調整後の群間差を検討した.統計解析にはR(ver. 4.6.0)を使用し,有意水準は5%未満とした.
【結果】
対象者の平均年齢は80.4±4.1歳であり,過去1年間の転倒経験を有した者は8名(25%)であった.主解析では,転倒あり群のSS-5(9.64±3.03秒)は,転倒なし群(7.27±2.04秒)と比較して有意に延長していた(p=0.017).効果量はd=1.03(95%CI: 0.15-1.90)であった.感度分析では有意差を認めなかったが(p=0.053),結果の方向性は主解析と一致していた.握力および歩行速度には有意な群間差を認めなかった.年齢を共変量としたANCOVAにおいても,転倒あり群のSS-5は転倒なし群と比較して有意に延長していた(F=6.34, p=0.018).
【考察】
本研究の結果,SS-5は年齢を調整した後も過去1年間の転倒経験と有意に関連していた.SS-5は下肢筋パワーに加え,起立時の重心移動や立位保持などの複合的な身体機能を反映するため,転倒に関連する機能低下を捉えやすい可能性がある.ただし,対象者数が少ないことや,活動性の高い高齢者に限定されている点については,結果の一般化において慎重な解釈が必要である.
【結論】
SS-5は,年齢を調整した後も過去1年間の転倒経験と有意に関連しており,地域在住高齢女性における転倒リスクの評価指標として有用である可能性が示唆された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,所属施設の倫理委員会の承認(承認番号:256)を得て実施した.対象者には,本研究の目的を口頭と文書を用いて説明し,書面にて同意を得た.
5回椅子立ち上がりテスト(Five Times Sit-to-Stand test; 以下,SS-5)は,下肢筋パワーや動的バランス能力を簡便に評価できる指標であり,転倒との関連が報告されている.一方,SS-5は加齢の影響を受けやすいため,年齢を考慮した検討が必要である.本研究の目的は,地域在住高齢女性を対象に,年齢調整後の過去1年間の転倒経験とSS-5との関連を検討することである.
【方法】
対象は,老人クラブ連合会が主催する健康づくり活動に参加した70歳以上の地域在住高齢女性33名とし,欠損値のあった1名を除外した32名を解析対象とした.調査項目は基本属性に加え,身体機能として握力,歩行速度,SS-5を測定した.統計解析では,各変数の正規性および等分散性を確認した後,過去1年間の転倒経験の有無によるSS-5の群間比較に主解析としてStudentのt検定を用いた.続いて,効果量(Cohen’s d)と95%信頼区間(95%CI)を算出した.また,転倒あり群のサンプルサイズが小さく,正規性の検定結果が有意水準付近であったため,感度分析としてWilcoxon順位和検定を実施した.加えて,年齢を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を実施し,年齢調整後の群間差を検討した.統計解析にはR(ver. 4.6.0)を使用し,有意水準は5%未満とした.
【結果】
対象者の平均年齢は80.4±4.1歳であり,過去1年間の転倒経験を有した者は8名(25%)であった.主解析では,転倒あり群のSS-5(9.64±3.03秒)は,転倒なし群(7.27±2.04秒)と比較して有意に延長していた(p=0.017).効果量はd=1.03(95%CI: 0.15-1.90)であった.感度分析では有意差を認めなかったが(p=0.053),結果の方向性は主解析と一致していた.握力および歩行速度には有意な群間差を認めなかった.年齢を共変量としたANCOVAにおいても,転倒あり群のSS-5は転倒なし群と比較して有意に延長していた(F=6.34, p=0.018).
【考察】
本研究の結果,SS-5は年齢を調整した後も過去1年間の転倒経験と有意に関連していた.SS-5は下肢筋パワーに加え,起立時の重心移動や立位保持などの複合的な身体機能を反映するため,転倒に関連する機能低下を捉えやすい可能性がある.ただし,対象者数が少ないことや,活動性の高い高齢者に限定されている点については,結果の一般化において慎重な解釈が必要である.
【結論】
SS-5は,年齢を調整した後も過去1年間の転倒経験と有意に関連しており,地域在住高齢女性における転倒リスクの評価指標として有用である可能性が示唆された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,所属施設の倫理委員会の承認(承認番号:256)を得て実施した.対象者には,本研究の目的を口頭と文書を用いて説明し,書面にて同意を得た.
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
