講演情報

[O8-05]通所リハビリテーション利用者の身体機能と生活関連指標の縦断的推移

*北地 雄1 (1. 総合東京病院 リハビリテーション科)
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キーワード:

地域理学療法、身体機能、生活空間

【はじめに、目的】理学療法では、機能障害の改善が活動、参加、QOLの向上につながる枠組みで臨床を捉えることが多い。一方、地域在住高齢者では、環境調整、生活行為の工夫、社会的役割の再獲得により、身体機能が十分に改善しなくても活動やQOLが変化する可能性がある。本研究は、通所リハビリテーション利用者のレジストリデータを用い、身体機能と生活関連指標の縦断的推移を記述し、評価視点を検討することを目的とした。
【方法】対象は2025年8月から2026年4月に評価した通所リハビリテーション利用者100名、延べ722評価とした。1か月を1wave とし、5回立ち上がりテスト、Timed Up and Go test(TUG)、握力、Life Space Assessment(LSA)、EQ-5D-5L、Lawton IADLを評価した。TUGと5回立ち上がりテストをwave 1で標準化し、方向をそろえた移動機能複合スコアを作成した。握力は別指標とした。参加者ごとの初期水準を考慮した線形混合効果モデルを用い、補足解析として傾きの違いを許容するモデル、および年齢、性別、ベースライン介護度で調整したモデルを実施した。
【結果】対象者の年齢は平均78.2歳(標準偏差9.4)、女性54名(54%)で、ベースライン介護度は要支援2が最も多かった。wave 1増加あたり、移動機能複合スコアは0.037(95%信頼区間0.024~0.049)増加し、5回立ち上がりテストは0.195秒(0.120~0.270)短縮、TUGは0.117秒(0.054~0.181)短縮した。握力は0.054kg(-0.017~0.125)、LSAは0.664(-0.334~1.663)、EQ-5D-5Lは0.002(-0.003~0.007)、Lawton IADLは-0.016(-0.081~0.049)であり、明確な経時変化は認めにくかった。補足解析でも移動機能関連指標の推定方向は主解析と同様であった。生活関連指標の欠損割合は約67~70%であった。
【考察】立ち上がり能力と移動能力は経時的に良好な方向へ推移し、補足解析でも大きく変わらなかった。一方、握力、生活空間、QOL、IADLでは明確な推移を確認しにくかった。生活関連指標には欠測が多く、観察対象の構成変化もあるため慎重な解釈を要するが、移動機能の変化のみで生活やQOLの変化を十分に捉えられない可能性がある。リハでは、活動・参加、本人にとって意味のある目標、QOLを含めて成果を捉えることが重視されており(WHO 2023、Kang 2022、Smit 2019)、本研究も生活視点を強化した継続評価の必要性を示唆する。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は倫理委員会の承認を得て、ヘルシンキ宣言に基づき実施した。利用者に説明し、同意を得た。

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