講演情報

[P13-02]大腿切断症例の車椅子不適合に対する地域支援の実践報告

*石倉 英樹1、大塚 彰1、伊藤 祥史1、中川 敬汰1、岩本 優士1、坂本 将徳1 (1. 広島都市学園大学 健康科学部 リハビリテーション学科)
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キーワード:

車椅子適合、介助負担、多機関連携

【はじめに】
 地域在住者における車椅子の不適合は移動の安全性低下や介助負担増大につながる。特に玄関スロープ等の住環境条件が加わると、介助者の身体的負担は大きい。一方、制度・資源や情報不足により、適切な機種選定や調整に難渋することがある。本報告は、自助具ボランティア団体が社会福祉協議会(社協)からの相談を受け、車椅子適合に関する評価と情報提供を行った実践を報告する。
【実践内容または活動内容】
 対象は地域在住の蜂窩織炎を契機に大腿切断となった男性(妻と2人暮らし)。妻より「体格に対して車椅子サイズが合わず、介助が重い」と社協へ相談があったが対応に難渋し、当会へ依頼となった。調整のうえで自宅訪問し、生活上の困りごとと目標を聴取した。本人の目標は「ベッド上での生活時間を短くしたい」であった。移乗はトランスファーボードを用いて妻が介助しており負担が大きかった。屋外移動では玄関スロープを介して外へ出る場面、および自家用車後部へ車椅子を押して積み込む場面で難渋していた。使用車椅子は平成7年から継続使用しており、シート幅42cm、シート奥行31cmであった。身体計測として臀部幅(大転子幅39cm)、下肢長(健側:大腿長42cm・下腿長35cm、切断側:断端長32cm)を確認した。計測結果と生活場面を基に適合要件(座幅・座奥行、下肢支持、フットレスト調整等)を整理し、条件に合致し得る車椅子サイズ・機種の情報を調査して資料として提供した。提供情報をもとに担当ケアマネジャーへ福祉用具貸与の再検討を相談するよう本人・妻へ助言した。
【成果や課題】
 長期使用車椅子の寸法と身体計測を照合し、住環境・介助場面を踏まえて適合要件を明確化したうえで代替情報を提示できたことは、専門的支援として有用であった。後日、本相談内容を元に、本人とケアマネジャーで検討していただき、新しい車椅子導入に至った。一方、導入可否は制度運用や事業者在庫等の影響を受けるため、ケアマネジャー・福祉用具事業者との連携強化、導入後の適合確認(移乗・玄関スロープ・車への積み込み動作)とフォローアップが課題である。
【今後の展望または結論】
 地域の相談に継続的に対応するため、受付票・評価項目・情報提供様式の標準化、連携体制(社協・ケアマネ・用具事業者)の整備が必要である。
【倫理的配慮、説明と同意】
 本報告は、ヘルシンキ宣言に従い倫理と個人情報に配慮し、個人が特定できる写真等は用いない。また、対象者および家族に発表目的・内容を説明し同意を得た。

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