講演情報
[O12-01]身体活動量と社会的フレイルの乖離を示す地域在住高齢者の特徴
*安藤 卓1,2、山科 吉弘1,2、岩村 真樹1,2、大和 洋輔1,2、森田 恵美子1,2、菊池 唯2、何川 渉2、熊部 翔2、福山 友見2 (1. 藍野大学大学院 健康科学研究科、2. 藍野大学 医療保健学部 理学療法学科)
キーワード:
社会的フレイル、身体活動量、地域在住高齢者
【背景】高齢者の健康維持において身体活動の重要性は広く知られている。一方、身体活動量が維持されているにもかかわらず、社会的フレイル(SF)を呈する高齢者の特徴については十分に明らかにされていない。本研究では、身体活動量と社会的フレイルの組み合わせによる4群比較を通じ、「活動的であるにもかかわらずSFを有する高齢者(活動型SF)」の特徴を検討した。【方法】地域在住高齢者239名(71.7±7.6歳、女性172名[72%])を対象とした。SFの有無(牧迫らの判定)と座位行動時間割合(SB割合)の中央値に基づき、①活動型非SF群89名、②座位型非SF群85名、③活動型SF群31名、④座位型SF群34名の4群に分類した。身体活動量は加速度計を用いて1週間測定し、歩数、座位行動時間割合、低強度身体活動割合(LPA割合)、中高強度身体活動割合(MVPA割合)を算出した。基本属性に加え、GDS-15およびJST版活動能力指標(JST-IC)とその下位尺度(新機器利用、情報収集、生活マネジメント、社会参加)を評価した。4群間比較にはKruskal-Wallis検定およびBonferroni法による多重比較を用い、年齢および性別を調整した共分散分析を実施した。【結果】SFの該当者は27.2%であった。4群間比較の結果、GDS-15、JST-IC、歩数、LPA割合、MVPA割合に有意差を認めた。特に活動型SF群は、歩数およびMVPA割合において活動型非SF群と同程度の活動量を維持していたが、GDS-15はSFのない両群より有意に高値を示した。また、JST-ICの低下にはSFの存在が反映していた。共分散分析の結果、活動型SF群は、座位型SF群と同様に非SF群より有意に高値を示した。一方、SF群同士では差を認めなかった。JST下位尺度では、特に活動型SF群は活動型非SF群より生活マネジメントおよび社会参加において有意に低値を示した。【考察】身体活動量が維持されていてもSFを有する高齢者では、抑うつ傾向や社会参加機能の低下を認めることが示された。特に活動型SF群では、歩数やMVPA割合が非SF群と同程度であった一方、GDS-15高値を示しており、身体活動量の維持のみでは社会的・心理的健康が担保されない可能性が示唆された。また、社会参加や生活マネジメントの低下を認めたことから、活動量の“量”だけでなく、活動の社会的側面や役割性の低下が背景に存在する可能性が考えられた。【結論】身体活動量が良好な高齢者においても、SFの合併は精神的・社会的機能を低下させる。高齢者支援には身体活動量のみならず、社会参加を含めた包括的評価が必要である。【倫理的配慮】本研究は、筆頭演者が所属する施設の教育・研究推進委員会の倫理審査を受け、承認を得て実施した(承認番号 10R-24005)。なお、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的配慮を十分に行い、すべての対象者には事前に本研究の趣旨を口頭および書面で説明して同意を得た。
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