講演情報
[P10-02]地域住民の転倒の予測因子と病院主催イベントの特性調査
*村田 尚寛1 (1. 千船病院 リハビリテーション科)
キーワード:
転倒予防、イベント特性、サルコペニア
【はじめに,目的】現在,地域在住高齢者の転倒予防は社会課題となっている.これら転倒などを防ぐために千船病院では病院イベントや,自治体主催イベントにも参加し体力測定を行いヘルスリテラシーの向上に取り組んでいる.そこで本研究では病院がある西淀川区に在住する方を対象に転倒リスクの要因を調査するとともにイベント開催場所による参加者の特性を調査した.【方法】2024年10月~2025年5月に千船病院が関わったイベントで体力測定を行った参加者を対象にした.測定項目は年齢,握力,4m歩行時間,Short Physical Performance Battery(SPPB),運動習慣の有無,直近1年以内の転倒歴の有無を調査した.運動習慣は内閣府・厚生労働省での調査における定義である1回30分以上の運動を週2回以上実施している者とした.まず転倒群と非転倒群と群分けして身体機能の比較を行った.また病院イベントと自治体主催イベントでの参加者の身体機能を比較した.統計はt検定,Mann-WhitneyのU検定,Fisher検定を使用,地域在住者の転倒に影響を及ぼす要因を分析する目的で多変量解析を行った.有意水準は5%未満とした.【結果】年齢は転倒群(79.4±8.56),非転倒群(68.2±13.4)と有意差が認められた.また4m歩行時間の転倒群(4.00±0.87),非転倒群(3.06±0.76),握力の転倒群(20.9±5.01),非転倒群(25.5±5.58)との間で有意差が認められた.運動習慣の有無と転倒歴との比率では転倒群は運動習慣がなくその比率に有意差が認められた.また運動習慣の有無が転倒歴に関連する有意な因子として示された.病院イベントと自治体主催イベントの参加群で比較を行った結果,4m歩行時間について病院イベント(3.08±0.95),自治体主催イベント(3.51±0.75)で有意差が見られた.【考察】本研究において地域住民の転倒歴において歩行時間,握力,運動習慣の有無で有意差が認められており,先行研究と同様の結果が得られた.地域在住者の転倒を予測する因子として運動習慣の有無が要因として示された.先行研究においても継続している運動習慣が転倒予防に繋がるとされておりこのことから西淀川区の地域在住者に関しても転倒予防のため継続した運動習慣の必要性が証明された.病院イベントの参加者の方が歩行時間が短かった.病院イベントは既に健康に興味を持っている人が多く,日頃から健康を意識しており身体機能が高い傾向にある可能性が考えられる.また千船病院は緑道に面している.先行研究によると都市緑地を利用することにより近隣住民の健康増進が期待できると示唆されており緑道に面している千船病院近隣住民は健康増進が図られている可能性が考えられた.そのため健康無関心層に健康情報を届けるためには病院イベントだけでなく自治体や他団体が主催する活動も重要であると示唆された.【倫理的配慮、説明と同意】本研究は千船病院倫理審査委員会の承認(20240513A)を得た.対象者には書面にて同意を得た上で実施した.
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