講演情報
[P7-02]緩和リハビリテーション(理学療法)における『納得・不納得』の終結様式の類型化
*池田 耕二1、吉川 義之1、滝本 幸治1 (1. 奈良学園大学保健医療学部リハビリテーション学科)
キーワード:
緩和リハビリテーション、物語構成分析、類型化
【はじめに、目的】
我々は,日本緩和医療学会(2026)において,緩和リハビリテーション(以下,緩和リハ)における納得が,人生の振り返り,症状コントロール,柔軟対応,ナラティブ受容,六視点の評価・実践,生活スタイルの再構築,希望の抽出・実現などの介入によって成立することを報告した。しかし,成立過程における時系列変化や文脈を含む質的側面は明らかでない。そこで本研究は,緩和リハにおける納得の成立過程を物語構成分析により類型化し,支援視点への示唆を得ることを目的とした。
【方法】
緩和リハに携わるリハビリ専門職10名を対象に,縁故法を用いたGoogleフォーム調査を実施し,自由記述30例を分析対象とした。本研究では,「納得」を本人・家族が現状を受容し,心理的に安定した状態と定義した。分析はPolkinghorne(1995)の narrative configuration に準拠し,各事例を「始まり―転機―終わり」の時間構造として再構成した。始まりでは病状や関係性などを整理し,転機では希望表出や象徴的出来事を抽出した。終わりでは逝去前後の状況から経験の閉じられ方を整理した。そのうえで納得/不納得の終結様式を類型化した。
【結果】
終結様式は納得/不納得の2群4類型に整理された。納得は18例(60%)で,希望実現型7例(23%),意味再構成型11例(37%)であった。希望実現型では,外出,食事,家族との時間など,本人・家族の希望が具体的行為として実現されたことが転機となっていた。意味再構成型では,希望の実現が困難でも,ライフレビューや対話を通じて経験の意味が再構成され,納得的終結へ至っていた。一方,不納得は12例(40%)で,主体性制限型8例(27%),関係性未形成型4例(13%)であった。主体性制限型では病状進行や制度的制約により希望実現が阻害され,関係性未形成型では,本人・家族・支援者間で意思共有や関係形成が不十分なまま終結していた。
【考察】
緩和リハによる納得は,経験が物語的に統合される終結様式として理解できることが示された。特に,希望実現型,意味再構成型は納得的終結に,主体性制限型,関係性未形成型は不納得的終結に関連する可能性が示された。納得終結からは,希望の具体化や意味づけ支援の重要性,不納得終結から,制度・環境調整や関係形成支援の必要性が示唆された。
【結論】
緩和リハにおける納得は,希望の実現や経験の意味再構成を通して形成される物語的終結として捉えられ,不納得の予防には主体性支援と関係形成支援が重要である可能性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:7-H008)。研究はヘルシンキ宣言に則って実施し,対象者には研究の目的・方法・倫理的配慮について説明したうえで,同意を得た。
我々は,日本緩和医療学会(2026)において,緩和リハビリテーション(以下,緩和リハ)における納得が,人生の振り返り,症状コントロール,柔軟対応,ナラティブ受容,六視点の評価・実践,生活スタイルの再構築,希望の抽出・実現などの介入によって成立することを報告した。しかし,成立過程における時系列変化や文脈を含む質的側面は明らかでない。そこで本研究は,緩和リハにおける納得の成立過程を物語構成分析により類型化し,支援視点への示唆を得ることを目的とした。
【方法】
緩和リハに携わるリハビリ専門職10名を対象に,縁故法を用いたGoogleフォーム調査を実施し,自由記述30例を分析対象とした。本研究では,「納得」を本人・家族が現状を受容し,心理的に安定した状態と定義した。分析はPolkinghorne(1995)の narrative configuration に準拠し,各事例を「始まり―転機―終わり」の時間構造として再構成した。始まりでは病状や関係性などを整理し,転機では希望表出や象徴的出来事を抽出した。終わりでは逝去前後の状況から経験の閉じられ方を整理した。そのうえで納得/不納得の終結様式を類型化した。
【結果】
終結様式は納得/不納得の2群4類型に整理された。納得は18例(60%)で,希望実現型7例(23%),意味再構成型11例(37%)であった。希望実現型では,外出,食事,家族との時間など,本人・家族の希望が具体的行為として実現されたことが転機となっていた。意味再構成型では,希望の実現が困難でも,ライフレビューや対話を通じて経験の意味が再構成され,納得的終結へ至っていた。一方,不納得は12例(40%)で,主体性制限型8例(27%),関係性未形成型4例(13%)であった。主体性制限型では病状進行や制度的制約により希望実現が阻害され,関係性未形成型では,本人・家族・支援者間で意思共有や関係形成が不十分なまま終結していた。
【考察】
緩和リハによる納得は,経験が物語的に統合される終結様式として理解できることが示された。特に,希望実現型,意味再構成型は納得的終結に,主体性制限型,関係性未形成型は不納得的終結に関連する可能性が示された。納得終結からは,希望の具体化や意味づけ支援の重要性,不納得終結から,制度・環境調整や関係形成支援の必要性が示唆された。
【結論】
緩和リハにおける納得は,希望の実現や経験の意味再構成を通して形成される物語的終結として捉えられ,不納得の予防には主体性支援と関係形成支援が重要である可能性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:7-H008)。研究はヘルシンキ宣言に則って実施し,対象者には研究の目的・方法・倫理的配慮について説明したうえで,同意を得た。
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