講演情報

[P6-01]在宅生活での歩行機会を家族と協働して調整し、見守りレベルでの手すり歩行に至った重度片麻痺を呈した症例

*齋藤 光二1 (1. 老人保健施設リバティ博愛)
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キーワード:

通所リハビリテーション、家族との協働、歩行機会

【はじめに・目的】通所リハビリテーション(以下、通所リハ)では、提供可能な歩行機会に限界がある。一方、歩行要介助者の在宅生活において歩行機会を増やすには、家族との協働が不可欠である。本症例では、重度片麻痺により重度歩行障害を呈した利用者に対し、通所リハと在宅生活での介入を実施した結果、歩行能力が向上した経過を報告する。
【症例紹介】症例は60代後半の女性で、くも膜下出血後、右片麻痺と全失語を呈し、発症1年3か月後より週3回の通所リハを開始した。利用開始時、ブルンストロームステージ下肢Ⅱであり、立ち上がりは中等度介助、歩行は2人介助レベル、移動は車椅子全介助であった。また、下肢装具は未作成であった。主介護者である夫は「歩かせたい」と希望したが、通所リハのみでは歩行機会が限定的となり、歩行能力向上への影響が懸念された。そこで、夫と協働し、生活動作および自主練習内で立位・歩行機会を増やし、歩行能力向上を図った。
【介入内容および経過・結果】介入は、①通所リハでの下肢筋力強化練習、日常生活動作練習、歩行練習、②住宅環境整備、③在宅生活における立位・歩行機会の提案及び実施状況の共有・調整を実施した。また、徒手筋力計を用い、右下肢伸展筋力を背臥位にて測定した。発症1年6か月時、通所リハでは平行棒内歩行練習を重度介助で実施し、右下肢伸展筋力は測定不能であった。在宅では、介護用ベッド、ポータブルトイレ、手すりを設置し、離床時、排泄時、外出時に立ち上がり動作を提案し、夫の介助下で実施した。発症1年7か月時、通所リハでは平行棒内または4点杖で歩行練習を中等度介助にて実施した。在宅でもトイレ内に横手すりの設置を依頼し、排泄時のトイレ内歩行を提案し、夫介助下で実施した。発症1年9か月時には、歩行時右下肢の振り出しが僅かに出現し、右下肢伸展筋力は6.5kgfとなった。発症2年1か月時、通所リハでは歩行時の右下肢振り出しが向上したため、下腿装具を導入し歩行量を増やした。在宅では、テーブルを使用した歩行練習を提案し夫の介助下で実施した。発症3年8か月時には、トイレ内手すりを使用した見守り歩行が可能となり在宅でも歩行習慣が定着した。右下肢伸展筋力は17.1kgfであった。
【考察】在宅生活を送る歩行要介助者において、家族と協働し生活内の歩行機会を増やす視点が、慢性期重度片麻痺者の歩行能力向上に必要な要素であることが示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】本発表の趣旨を本人・家族に紙面を用いて説明を行い、経過と介入結果を公表することに関して同意を得た。

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