講演情報

[O3-02]生活期リハビリテーションを利用中の高齢者におけるSCAT6の認知機能項目の検者内信頼性

*桑田 一記1、中口 拓真1、石本 泰星2、安丸 直希3、北原 佑磨1、柳川 楓香1、小野 拓哉1、星野 好則1 (1. 星野クリニック、2. 赤ひげクリニック、3. 大阪医療福祉専門学校)
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キーワード:

Sport Concussion Assessment Tool-6、検者内信頼性、地域在住高齢者

【はじめに、目的】
脳震盪(mild traumatic brain injury: mTBI)は軽度外傷性脳損傷の一種であり,高齢者では加齢に伴う変化と類似しているため見逃されやすい(McCulloch KL, et al.2020)。しかし,加齢変化とmTBIによる症状では発症機序や予後が異なるため,適切な評価が必要である。近年,Short Concussion Assessment Tool-6(SCAT6)が標準化された評価ツールとして注目されているが(Echemendia RJ, et al.2023),高齢者におけるSCAT6の認知機能項目の信頼性は明らかではない。したがって,本研究の目的は生活期リハビリテーション(生活期リハ)を利用中の高齢者を対象にSCAT6の認知機能項目の検者内信頼性を検証することとした。
【方法】
対象は2025年4月から2026年4月までに当院のデイケアまたは訪問リハビリテーションを利用している者のうち,SCAT6の認知機能項目の評価が可能なものとした。除外基準は失語症・重度難聴・精神症状により検査が困難な者,明らかな頭部外傷歴を有する者とした。SCAT6の認知機能項目は,見当識,即時記憶,集中力で構成される40点満点の検査である。SCAT6の認知検査項目のうち即時記憶で使用する単語リストは無作為に選択した。SCAT6の測定は臨床経験5年目以上の療法士が実施し,初回検査から1週間後に2回目を実施した。統計解析はRコマンダーを使用し,SCAT6の検者内信頼性を確認するために級内相関係数(ICC 1.1)を算出し, Standard Error of Measurement(SEM)とMinimal Detectable Change(MDC)を求めた。その後,Bland-Altman分析にて系統誤差(固定誤差と比例誤差)の有無を検討した。
【結果】
本研究の解析対象者は82名(平均年齢84.5 ± 6.8)であった。SCAT6の認知機能項目のICC(1,1)は0.92(0.88 to 0.95)であり,高い検者内信頼性を示した。SEMは1.8点,MDCは5.0点であった。Bland-Altman分析では固定誤差(p=0.13)および比例誤差(p=0.27)は認めなかった。
【考察】
SCAT6の認知機能項目は,生活期リハを利用中の高齢者において高い検者内信頼性を示し,SEMも臨床的に許容可能な範囲であった。高齢者は転倒後に軽微な認知機能変化や異常行動を呈する場合があり(McCulloch KL, et al.2020),事前に状態を把握しておくことが重要である。本結果から在宅領域におけるmTBIスクリーニングや経過観察の補助的指標として活用できる可能性が示された。

【倫理的配慮、説明と同意】
本研究の意義について口頭にて説明を行い,同意を得た。また本研究は大阪医療福祉専門学校の倫理委員会の承認を得て実施した(25-41)。

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