講演情報

[P8-02]ポピュレーションアプローチによる住民運営体操教室支援の実践

*佐藤 誠1 (1. 日立製作所ひたちなか総合病院リハビリテーション科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

住民主体、介護予防、伴走型支援

【はじめに】茨城県ひたちなか市では、平成28年度より地域リハビリテーション活動支援事業(以下、本事業)として、住民運営の通いの場(以下、通いの場)にリハビリ専門職が訪問し、行政と連携しながら住民の主体性を尊重しつつ、地域全体の介護予防力が高まるよう支援を行ってきた。本報告では、本事業の実践内容と成果・課題、今後の展望について報告する。
【実践内容】通いの場は1回90分、参加者約20名で運営され、住民が指導役となり市独自の元気アップ体操を実施している。リハビリ専門職は、この自立した活動に対して年1回訪問し、①介護予防に関する講話(フレイル、転倒、栄養・口腔、認知症等について、専門的知見を住民に分かりやすく解説)、②集団運動指導(住民が日頃行っている体操の動作を確認し、解剖学・運動学的な視点から、効果を高めるための修正ポイントや安全上の注意点を指導)、③個別相談(疼痛、不安、生活動作に関する相談)を行っている。
【成果・課題】平成28年度から令和7年度までの10年間(令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止)に、理学療法士21名、作業療法士8名、言語聴覚士3名が延べ306回訪問し、参加者は延べ4,915人であった。個別相談内容は、膝痛・腰痛を有する中での運動に関する相談、転倒不安や歩行・日常生活動作、口腔・嚥下に関する内容が多く、「病気の相談」ではなく、生活に即した相談が中心であった。近年は、痛み単独の相談から、フレイルや栄養、口腔機能など多因子を統合した相談へと変化している。本事業は、市の高齢者福祉計画および介護保険事業計画に位置づけられ、訪問回数は平成28年度の32回から令和7年度には48回へ増加し、リハビリ専門職の確保が課題となっている。
【今後の展望】本事業では、住民の主体性を尊重しつつ、リハビリ専門職が単発的な「点」の介入を、継続的な「線」の支援として行うことで、地域全体の介護予防力を高めてきた。今後のさらなる高齢化社会において、リハビリ専門職による伴走型支援の重要性はますます高まると考えられ、本事業の継続に向け、近隣事業所との連携強化を図っていく。
【倫理的配慮】本研究は所属施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。使用したデータは個人を特定できない既存資料であり、匿名化した情報のみを用い、新たな不利益は生じない。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン