講演情報

[O14-02]通いの場に参加する地域高齢者のフレイル進展における骨格筋量・身体活動・食欲の影響:Gunma Aging Cohort

*樋口 大輔1、髙橋 雄太2、竹内 真理3、田中 繁弥1、佐藤 清香4、篠原 智行1 (1. 高崎健康福祉大学 保健医療学部、2. 高崎健康福祉大学 薬学部、3. 高崎健康福祉大学 健康福祉学部、4. 静岡社会健康医学大学院大学)
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キーワード:

通いの場、フレイル、骨格筋量

【はじめに、目的】通いの場に参加する地域在住高齢者において 、骨格筋量の低下、身体活動不足、加齢に伴う食欲不振はフレイルの関連因子であるが、各因子ならびに因子の相乗効果がフレイルの進展に及ぼす影響についてはいまだ不明な点が多い。そこで、本研究の目的は、通いの場を利用する高齢者を対象に骨格筋量・身体活動量・食欲が1年後のフレイル変化に及ぼす影響を明らかにすることとした。
【方法】A県内の通いの場に参加する65歳以上の高齢者を対象とした1年間の前方視的コホート研究である。ベースライン時に四肢骨格筋量(SMI)、活動量計に基づく中高強度身体活動量(MVPA)、食欲の程度(SNAQ)を測定した 。アウトカムは、身体的フレイル指標(J-CHS) と多面的フレイル指標(後期高齢者の質問票:QMCOO)の1年後の変化量(Δ)とした。3つの因子および交互作用項(SMI×MVPA、MVPA×SNAQ、SMI×SNAQ)を独立変数、基本属性、社会的フレイル、認知機能、ポリファーマシー、活動量計平均装着時間を調整変数とした重回帰分析を行った 。多重代入法で欠損値を補完して本分析を行うとともに、リストワイズデータで感度分析を実施した。
【結果】解析対象者は673名(79.0±6.6歳、女性86.5%)であった。3因子間の交互作用はいずれのモデルにおいても有意ではなかった。一方、SMIはΔJ-CHS(β=-0.231、95%CI:-0.389〜-0.072、p=0.004)およびΔQMCOO(β=-0.201、95%CI:-0.348〜-0.054、p=0.007)の両指標において、フレイル進展を抑制する独立した予測因子であった。この傾向は感度分析においても概ね支持された(ΔJ-CHS:β=-0.209、p=0.020;ΔQMCOO:β=-0.164、p=0.054)。なお、感度分析ではMVPAがΔQMCOOの予測因子であった(β=0.120、p=0.036) 。調整変数では、BMIがΔJ-CHS(β=0.160、p=0.023)と、認知機能がΔQMCOO(β=-0.117、p=0.024)と有意に関連した。
【考察】多数の交絡因子で調整した後も、骨格筋量は身体的および多面的なフレイル進展を抑制する予測因子であった。主解析でMVPAの有意な関連が示されなかった背景には、身体活動量そのものより、その結果である骨格筋量が生理的予備能をより正確に反映しているためと考えた。通いの場に参加する高い身体機能を有する集団において交互作用が認められなかったことは、十分な骨格筋量さえ維持すれば、多少の身体活動不足や食欲不振があっても、深刻なフレイル進展を阻止できる可能性を示唆している。
【結論】通いの場に参加する地域在住高齢者において骨格筋量はフレイル進展を抑制する。身体活動量や食欲の改善とともに、骨格筋量の維持に主眼を置いた定量的評価と介入が重要である。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は高崎健康福祉大学倫理審査委員会の承認を受け(承認番号:2362、2374、2411、2467)、ヘルシンキ宣言に則り実施した。全対象者から記名による同意を得た。

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