講演情報

[ST1-01]下腿周径と下腿長を用いた四肢筋量推定指標の妥当性―加齢変化の検討―

*浅田 優衣1、谷口 匡史2、小原 久未子3、中村 晴信4、浅井 剛1、脇田 正憲1、三木 恵美5、甲田 勝康4、池添 冬芽1、福元 喜啓1,2 (1. 関西医科大学リハビリテーション学部、2. 京都大学大学院医学研究科、3. 京都府立医科大学大学院医学研究科、4. 関西医科大学衛生・公衆衛生学講座、5. 県立広島大学保健福祉学部)
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キーワード:

四肢筋量、下腿周径、下腿長

【はじめに、目的】
下腿周径は四肢筋量推定のための簡便な指標として用いられている。しかし高齢期では四肢筋量は減少していく一方、下腿周径の減少はごくわずかであることが知られている。周径に囲まれる断面積は理論上周径の二乗に比例するため、下腿周径は加齢に伴う実際の下腿断面積減少を過小評価している可能性がある。また四肢筋量は筋体積に関連することから、下腿断面積に下腿長を加味することで、四肢筋量をより精度高く推定できる可能性がある。本研究の目的は、下腿周径および下腿長から算出した下腿断面積指数と下腿体積指数が、四肢筋量をより精度高く推定できるかを検討することである。
【方法】
対象は地域在住の60歳以上の高齢女性155名(平均年齢75.3歳)と20歳代の若年女性57名(21.1歳)とした。生体電気インピーダンス法(タニタ社製)を用いて四肢筋量を計測し、またメジャーを用いて下腿周径と下腿長を計測した。得られた下腿周径を2乗して4πで除すことで下腿断面積指数を算出し、さらに下腿断面積指数に下腿長を乗じることで下腿体積指数を算出した。統計処理として、四肢筋量と下腿周径、下腿断面積指数および下腿体積指数とのピアソンの相関係数を求め、それぞれの相関係数の差の検定としてMeng’s検定を用いた。対象を年齢によって4群(20歳代、60歳代、70歳代、80歳以上)に群分けし、一元配置分散分析および多重比較(Bonferroni法)を用いて各指標の群間差を検討した。さらに、20歳代の平均値を100%として各年齢群の相対値を算出した。
【結果】
四肢筋量との相関係数は、下腿周径(0.423)、下腿断面積指数(0.417)と比べ、下腿体積指数(0.580)で有意に高かった(p<0.001)。一元配置分散分析の結果、すべての指標において年代間の有意な主効果が認められた(p<0.01)。下腿周径と下腿断面積指数は、80歳以上と20歳代および60歳代との間でのみ有意差が認められた(p<0.05)。一方、下腿体積指数と四肢筋量は、80歳以上と他のすべての年代との間、および70歳代と20歳代との間で有意差が認められた(p<0.05)。20歳代を100%とした60歳代、70歳代、80歳以上の値は、四肢筋量において95.0%、87.0%、81.8%、下腿周径において100.9%、98.8%、94.9%、下腿断面積指数において102.2%、98.0%、90.3%、下腿体積指数において93.8%、89.9%、80.9%であった。
【考察と結論】
本研究の結果、下腿体積指数は下腿周径、下腿断面積指数と比較して四肢筋量との相関が強く、また20歳代を基準とした年代差の傾向も四肢筋量に近かった。下腿体積指数はメジャーによる計測値のみで算出可能な簡便な指標であることから、特別な設備がない施設や地域における四肢筋量推定のための有用な手法になると期待される。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,所属機関の倫理委員会の承認を得て実施された。対象者には事前に研究内容を説明し,書面にて研究に参加する同意を得た。

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