講演情報
[S2-04]BBS Keyformを用いた課題共有により社会参加につながった訪問リハビリテーションの一症例
*鈴木 裕介1 (1. 介護老人保健施設ふじいでら 訪問リハビリテーション事業所)
キーワード:
BBS Keyform、訪問リハビリテーション、社会参加
【はじめに、目的】
生活期の訪問リハビリテーション(訪問リハ)では、身体機能改善のみならず、本人の意思形成や社会参加を支援する視点が重要である。今回、Berg Balance Scale(以下、BBS)Keyformを用いて課題共有を行い、支援を継続した結果、行動変容と社会参加につながった症例を経験したため報告する。
【症例紹介、評価結果と問題点】
症例は50歳代女性。X年に右視床出血を発症し、X+6か月後に自宅復帰、その後訪問リハを利用開始した。訪問リハ開始時のBarthel Index(以下、BI)は50点、Frenchay Activities Index(以下、FAI)は2点であった。X+5年時点ではBI85点、FAI22点まで改善し、屋外移動は電動車椅子を使用しながら月1、2回の外出機会を得ていた。X+7年2月にBBSを測定し43点であった。BBS Keyformの移行ゾーンは360度回転、閉脚立位保持、上肢前方到達であり、上がり框昇降時における、狭い玄関スペースで支持物に手を伸ばし、方向転換することが難しいとの訴えと合致していた。上がり框昇降は可能ではあったが負担感が強く、外出時の不安につながっており外出自体の制限となっていた。
【介入内容と結果】
訪問リハでは、BBS Keyformを用いて移行ゾーンを共有し、本人と現状能力や課題を確認した。移行ゾーンを自主練習の目的設定にも活用しながら、本人の意思形成過程を尊重しながら支援を継続した。上がり框の昇降動作が外出時の不安や負担につながっていることをリハビリ会議で共有し、福祉用具を選定した結果、負担なく実施可能となった。その後、一人での宿泊などやりたいことが徐々に明確となった。X+8年には外出頻度の増加や目標であった一人での宿泊が可能となるなど生活範囲の拡大を認めた。BBS得点の大きな変化は認めなかったが、本人がやりたいことを主体的に表出するようになった。
【考察】
本症例では、BBS Keyformを点数管理ではなく、対象者との課題共有や意思形成支援として活用した。移行ゾーンを共有したことで、上がり框昇降が外出時の不安や負担につながる課題であることを対象者と確認できた。また、移行ゾーンに関連した課題に対し、福祉用具を用いて解決を図ったことで、前向きな行動変容につながったと考えられた。さらに、長期経過により目標設定が曖昧になりやすい生活期において、BBS Keyformを用いることで課題や目標を再共有でき、対象者主体の社会参加につながった可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
ヘルシンキ宣言に基づき、対象者本人および家族に対して、口頭および書面にて十分説明し、同意を得た。
生活期の訪問リハビリテーション(訪問リハ)では、身体機能改善のみならず、本人の意思形成や社会参加を支援する視点が重要である。今回、Berg Balance Scale(以下、BBS)Keyformを用いて課題共有を行い、支援を継続した結果、行動変容と社会参加につながった症例を経験したため報告する。
【症例紹介、評価結果と問題点】
症例は50歳代女性。X年に右視床出血を発症し、X+6か月後に自宅復帰、その後訪問リハを利用開始した。訪問リハ開始時のBarthel Index(以下、BI)は50点、Frenchay Activities Index(以下、FAI)は2点であった。X+5年時点ではBI85点、FAI22点まで改善し、屋外移動は電動車椅子を使用しながら月1、2回の外出機会を得ていた。X+7年2月にBBSを測定し43点であった。BBS Keyformの移行ゾーンは360度回転、閉脚立位保持、上肢前方到達であり、上がり框昇降時における、狭い玄関スペースで支持物に手を伸ばし、方向転換することが難しいとの訴えと合致していた。上がり框昇降は可能ではあったが負担感が強く、外出時の不安につながっており外出自体の制限となっていた。
【介入内容と結果】
訪問リハでは、BBS Keyformを用いて移行ゾーンを共有し、本人と現状能力や課題を確認した。移行ゾーンを自主練習の目的設定にも活用しながら、本人の意思形成過程を尊重しながら支援を継続した。上がり框の昇降動作が外出時の不安や負担につながっていることをリハビリ会議で共有し、福祉用具を選定した結果、負担なく実施可能となった。その後、一人での宿泊などやりたいことが徐々に明確となった。X+8年には外出頻度の増加や目標であった一人での宿泊が可能となるなど生活範囲の拡大を認めた。BBS得点の大きな変化は認めなかったが、本人がやりたいことを主体的に表出するようになった。
【考察】
本症例では、BBS Keyformを点数管理ではなく、対象者との課題共有や意思形成支援として活用した。移行ゾーンを共有したことで、上がり框昇降が外出時の不安や負担につながる課題であることを対象者と確認できた。また、移行ゾーンに関連した課題に対し、福祉用具を用いて解決を図ったことで、前向きな行動変容につながったと考えられた。さらに、長期経過により目標設定が曖昧になりやすい生活期において、BBS Keyformを用いることで課題や目標を再共有でき、対象者主体の社会参加につながった可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
ヘルシンキ宣言に基づき、対象者本人および家族に対して、口頭および書面にて十分説明し、同意を得た。
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