講演情報

[P7-03]回復期でのセルフマネジメント教育は在宅生活に寄与するか?-退院後電話調査したCOPD患者の一例-

*安江 啓太1、初瀬川 弘樹1、福留 章代1 (1. 彩都リハビリテーション病院)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

COPD、回復期、セルフマネジメント教育

【はじめに、目的】慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)に対する呼吸リハビリテーションのエビデンスは確立されており,特に運動療法とセルフマネジメント教育が中核であるが,回復期リハビリテーション病院に属する理学療法士は,制度上の制約からCOPD患者が在宅復帰した後の生活の様子がわからず,セルフマネジメント教育の成果に関するフィードバックが得られにくい.本報告の目的は,回復期リハビリテーション病院から在宅復帰したCOPD患者に対し,身体活動量と健康関連QOL(以下,HRQOL)の経過を電話で調査することで,入院中に行ったセルフマネジメント教育の効果について検討することである. 【症例紹介、評価結果と問題点】症例はCOPD増悪後廃用症候群の70歳代男性である.入院時の動作能力としては,起居・移乗動作は自立しており独歩で数メートルの移動が可能であったが,会話や移乗動作などの軽労作で息切れする状態であった.また,労作時呼吸困難感およびSpO2の低下を自覚しているにも関わらず「まだできる」と運動を継続する傾向があった.本症例の主な問題点は労作時呼吸困難感および運動耐用能低下による身体活動量低下であったが,一方で労作時に過剰に努力してしまうというセルフマネジメントの問題も抱えていた.これらのことから,運動療法により運動耐用能の改善を図ると共に,セルフマネジメント教育により患者自身が疾患を管理しHRQOLを維持できるように支援する方針を選択した. 【介入内容と結果】セルフマネジメント教育について,まず低酸素により引き起こされる身体への悪影響についての説明を行った.加えて,COPD患者において身体活動量の低下が最大の予後不良因子であることを説明し,万歩計を用いて身体活動量を自己管理できる状態を目標とした.在宅復帰後の身体活動量の目標はCOPD患者の簡易歩数予測式により算出された標準値と当院での経過を踏まえ,症例と相談した上で3000歩/日に設定した.電話調査は退院後3ヶ月まで月に1回行った.身体活動量は万歩計アプリを用いて電話調査日から直近1週間における1日あたりの平均歩数を算出した.退院時/退院後3ヶ月目の平均歩数はそれぞれ1094歩/4573歩,COPD Assessment Testは16点/17点であった. 【考察】在宅復帰後の身体活動量とHRQOLは維持されていた.ただし,低酸素状態でも身体活動を続ける傾向があり,改めて指導する必要があった.在宅復帰3ヶ月時点の発言から「きつめの活動を続けることでまだ呼吸状態が改善する」という考えから行動していたことがわかった.COPD患者において入院中のセルフマネジメント教育は在宅復帰後の身体活動量とHRQOL維持に寄与する可能性があるが,退院後の継続したフォローが必要であると考えられた. 【倫理的配慮、説明と同意】本報告に際して,プライバシーの配慮と個人情報の保護に留意し,事例本人に口頭と書面による説明を行った上で同意を得た.

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン