講演情報

[O14-03]社会的フレイルは健康状態を介して1年後の身体的フレイルと関連する
― Gunma Aging Cohort研究 ―

*篠原 智行1、髙橋 雄太2、竹内 真理3、佐藤 清香4、田中 繁弥1、樋口 大輔1 (1. 高崎健康福祉大学 保健医療学部理学療法学科、2. 高崎健康福祉大学 薬学部薬学科、3. 高崎健康福祉大学 健康福祉学部健康栄養学科、4. 静岡社会健康医学大学院大学)
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キーワード:

身体的フレイル、社会的フレイル、ソーシャルキャピタル

【目的】
社会的フレイル(Social Frailty:SF)やソーシャルキャピタル(Social Capital:SC)が高齢者の健康に及ぼす影響が注目されているが、身体的フレイルとの関連性については一貫した知見が得られていない。また、これらの社会的要因は健康状態の悪化を介して間接的に関連する可能性も考えられる。そこで本研究では、認知的SCおよびSFと1年後の身体的フレイルとの関連を縦断的に検討し、健康状態を媒介とした関連構造を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究はGunma Aging Cohort研究の1年間縦断データを用いた。対象は地域在住高齢者411名(平均年齢79.0歳、女性354名)とした。身体的フレイルは日本版Cardiovascular Health Study(J-CHS)基準、認知的SCは藤澤のソーシャルキャピタル尺度(厚生の指標, 2007)、SFはMakizakoの5項目尺度(J Am Med Dir Assoc, 2015)を用いて評価した。健康状態は後期高齢者の質問票(Questionnaire for Medical Checkup of Old-Old:QMCOO)のうち、他変数との概念重複を考慮して身体機能・転倒、社会参加、社会的支援を除外した7領域合計点(QMCOO-7d)を用いた。解析には共分散構造分析を用いた媒介分析を実施し、認知的SC/SF→健康状態→身体的フレイルのパス構造を検討した。年齢、性別、認知機能(Rapid Dementia Screening Test)、ベースライン時の身体的フレイルおよび健康状態を調整した。パス係数および間接効果の信頼区間は、ブートストラップ法(5000回)により推定した。
【結果】
ベースライン時および1年後のJ-CHSスコア中央値はいずれも1.0であり、有意差を認めなかった(p=0.129)。1年間で身体的フレイルの改善は88名(21.4%)、悪化は104名(25.3%)で認めた。
認知的SCモデルでは、QMCOO-7dから身体的フレイルへのパスのみが有意であった(β=0.246、95%CI:0.179–0.311、p<0.001)。一方、認知的SCからQMCOO-7dへのパス、直接効果、間接効果、総効果はいずれも有意ではなかった。
SFモデルでは、SFからQMCOO-7dへのパス(β=0.200、95%CI:0.085–0.314、p=0.001)およびQMCOO-7dから身体的フレイルへのパス(β=0.236、95%CI:0.166–0.303、p<0.001)が有意であった。また、間接効果も有意であった(β=0.047、95%CI:0.021–0.083、p=0.002)。一方、直接効果および総効果はいずれも有意ではなかった。
【考察】
社会的交流機会の減少や外出頻度低下などの社会的脆弱性が、心理・認知・生活機能面の健康状態悪化を引き起こし、その結果として身体的フレイル進行に関与する可能性が示唆された。地域在住高齢者に対するフレイル予防では、身体機能のみならずSFや健康状態を包括的に評価する重要性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は高崎健康福祉大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:2362、2374、2411)。対象者には研究説明を行い、署名による同意を取得した。

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