講演情報
[P13-03]通所介護管理者としての実践
―理学療法士の視点を活かした組織マネジメントと地域連携―
*橋本 建亮1 (1. 株式会社ジェネラス デイサービス森音)
キーワード:
通所介護、地域包括ケア、組織マネジメント
【はじめに】
訪問リハビリテーションから通所介護(以下,デイ)の管理者へ異動し,外からでは見えなかった現場のリアルと,デイ内完結の関わりでは利用者の在宅生活におけるリスクや可能性への介入に限界があることを実感した.
利用者や家族へ新たな生活の選択肢を提示するためには,デイの「内(スタッフ)」と「外(地域)」の双方を整える必要があると考えた.
本報告は,赴任後1年4ヶ月における,自所内マネジメントから地域連携へ展開した実践経過を報告する.
【実践内容】
まず「内」の取り組みとして,スタッフ面談を通じた価値観・強みのアセスメントを行い,適材適所の配置と関わり方の調整を実施した.また,新規契約,担当者会議,利用者との対話等で得られたICFを基盤とした生活情報を共有し,スタッフ全員が利用者の生活変化を察知できる体制づくりを行った.
その結果,デイ内の気づきから居宅生活の課題を推論し,多職種連携へ繋がる事例が生まれた.
具体的には,①皮膚トラブルの原因を居宅トイレ環境にあると推論し環境調整へ繋げた事例や,②衣服状況から視覚特性と生活行動を分析し,家族・訪問看護導入へ接続した事例を経験した.
一方で,自所のみで利用者の生活全体を支えることには限界があることも痛感した.
そこで,他事業所との事例共有や日常的な声かけを通じて顔の見える関係づくりを進め,各職種連絡会(居宅介護支援・訪問看護・通所介護・訪問介護)を繋げて合同研修会の開催へ発展させた.
さらに,現場課題に特化した通所介護事業所連絡会内に「研修部会」を立ち上げ,地域全体の支援力向上を図る活動を開始した.
【成果と課題】
職場改善調査では,円滑なコミュニケーション4.08点,管理者からのフィードバック3.92点(5点満点中)と良好な結果を得た.
また,利用者満足度調査では,運動・機能訓練項目の満足回答割合は73.2%(前年比+17.6%),入浴項目では85.3%(同+15.6%)であった.
一方で,「利用者の目標を叶える支援体制」は3.0点と相対的に低値であった.これは,スタッフの意識向上に対し,具体的な支援体制や仕組みづくりが十分ではないことを示す結果であり,自所内における次なる課題として認識された.
【結論】
理学療法士が有するアセスメントや環境調整の視点は,個別支援のみならず組織マネジメントや地域連携にも応用可能である.
利用者の生活を支えるためには,対象者だけでなく組織や地域も含めた環境へ働きかけることが重要であり,理学療法士が地域全体の支援力向上に寄与できる可能性が示唆された.
【倫理的配慮,説明と同意】
対象者には報告の趣旨を説明し同意を得た.個人が特定されないよう匿名化に配慮した.
訪問リハビリテーションから通所介護(以下,デイ)の管理者へ異動し,外からでは見えなかった現場のリアルと,デイ内完結の関わりでは利用者の在宅生活におけるリスクや可能性への介入に限界があることを実感した.
利用者や家族へ新たな生活の選択肢を提示するためには,デイの「内(スタッフ)」と「外(地域)」の双方を整える必要があると考えた.
本報告は,赴任後1年4ヶ月における,自所内マネジメントから地域連携へ展開した実践経過を報告する.
【実践内容】
まず「内」の取り組みとして,スタッフ面談を通じた価値観・強みのアセスメントを行い,適材適所の配置と関わり方の調整を実施した.また,新規契約,担当者会議,利用者との対話等で得られたICFを基盤とした生活情報を共有し,スタッフ全員が利用者の生活変化を察知できる体制づくりを行った.
その結果,デイ内の気づきから居宅生活の課題を推論し,多職種連携へ繋がる事例が生まれた.
具体的には,①皮膚トラブルの原因を居宅トイレ環境にあると推論し環境調整へ繋げた事例や,②衣服状況から視覚特性と生活行動を分析し,家族・訪問看護導入へ接続した事例を経験した.
一方で,自所のみで利用者の生活全体を支えることには限界があることも痛感した.
そこで,他事業所との事例共有や日常的な声かけを通じて顔の見える関係づくりを進め,各職種連絡会(居宅介護支援・訪問看護・通所介護・訪問介護)を繋げて合同研修会の開催へ発展させた.
さらに,現場課題に特化した通所介護事業所連絡会内に「研修部会」を立ち上げ,地域全体の支援力向上を図る活動を開始した.
【成果と課題】
職場改善調査では,円滑なコミュニケーション4.08点,管理者からのフィードバック3.92点(5点満点中)と良好な結果を得た.
また,利用者満足度調査では,運動・機能訓練項目の満足回答割合は73.2%(前年比+17.6%),入浴項目では85.3%(同+15.6%)であった.
一方で,「利用者の目標を叶える支援体制」は3.0点と相対的に低値であった.これは,スタッフの意識向上に対し,具体的な支援体制や仕組みづくりが十分ではないことを示す結果であり,自所内における次なる課題として認識された.
【結論】
理学療法士が有するアセスメントや環境調整の視点は,個別支援のみならず組織マネジメントや地域連携にも応用可能である.
利用者の生活を支えるためには,対象者だけでなく組織や地域も含めた環境へ働きかけることが重要であり,理学療法士が地域全体の支援力向上に寄与できる可能性が示唆された.
【倫理的配慮,説明と同意】
対象者には報告の趣旨を説明し同意を得た.個人が特定されないよう匿名化に配慮した.
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