講演情報

[ST1-02]大腿直筋の内側への変位量が膝伸展トルクに及ぼす影響-超音波画像装置を用いた検討-

*志摩 美友1、東中屋 颯2,3、古平 駿2,3、青田 悠那1、浅田 優衣1、野田 萌1、梅原 潤1、福元 喜啓1 (1. 関西医科大学リハビリテーション学部、2. 関西医科大学大学院生涯健康科学研究科、3. 関西医科大学くずは病院リハビリテーションセンター)
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キーワード:

超音波画像装置、大腿直筋、筋形態

【はじめに、目的】超音波画像装置は地域や臨床において、筋量指標である筋厚を簡便に評価することが可能である。大腿直筋(RF)は超音波画像で評価されることが多い筋のひとつであり、一般に大腿前面中央で撮像されるが、対象者によってはRFが中央よりも内側に変位している場合が多い。このような内側への変位は筋力に影響する可能性があるが、この関係性を検討した研究は見当たらない。本研究の目的は、RFの内側への変位量が膝伸展トルクに及ぼす影響を検討することである。
【方法】対象は若年女性37名(平均年齢21.4±1.2歳)とした。測定側は、右下肢に疾患のない者は右側、疾患のある者は左側とした。超音波画像装置を用い、端座位にてRFおよび中間広筋(VI)、外側広筋(VL)、内側広筋(VM)を撮像した。RF・VIは大転子と大腿骨外側上顆を結ぶ線の中点(中央部)および70%(遠位部)の2か所、VLは中点、VMは70%のレベルで、筋厚が最大となる部位にプローブを接触させ撮像した。RFの中央部・遠位部についてはそれぞれ撮像時に、上前腸骨棘と膝蓋骨上縁を結ぶ線からプローブの中心までの距離をメジャーで計測した。この距離を、それぞれの部位で計測した大腿周径で除し、RF変位量とした。撮像した画像より各筋の筋厚を計測し、さらにRF・VI(中央部)、VLとVMを合計した大腿四頭筋(QF)筋厚を求めた。膝伸展筋力計を用い、最大等尺性膝伸展トルクを測定した。統計処理として、RF変位量と膝伸展トルクとのPearsonの相関係数を求めた。また、膝伸展トルクを目的変数とした重回帰分析を行った。説明変数は、モデル1ではRF中央部筋厚とRF中央部変位量、2ではRF中央部筋厚とRF遠位部変位量、3ではQF筋厚とRF中央部変位量、4ではQF筋厚とRF遠位部変位量とした。
【結果】RF変位量の平均は、中央部で7.6%、遠位部で4.9%であった。またRF変位量は、中央部(r=-0.410)、遠位部(r=-0.487)ともに膝伸展トルクと有意な負の相関を認めた(p<0.05)。重回帰分析の結果、RF変位量はモデル1では有意ではなかったが、モデル2、3、4(β=-0.416、-0.346、-0.421)では膝伸展トルクの有意な説明変数であった(p<0.05)。
【考察と結論】本研究の結果、RFの内側への変位量が大きいほど膝伸展トルクは小さくなり、その関連は遠位部の変位量でより強い傾向を示した。またRF変位量は筋厚を調整しても有意だったことから、筋量とは異なる膝伸展トルクに関わる形態的側面を反映していると考えられる。RFが正常な位置関係から逸脱することで筋の作用線が変化し、筋収縮力の膝伸展方向への伝達効率が低下する可能性がある。RF変位量は簡便に計測可能であることから、地域や臨床における有用な筋形態の評価指標となることが期待される。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は,所属機関の倫理委員会の承認を得て実施された。対象者には事前に研究内容を説明し,書面にて研究に参加する同意を得た。

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