講演情報
[O4-01]生活期療養高齢者における抗重力活動と下腿最大周径のカットオフ値についてー再解析ー
*山口 直樹1、北川 智美2、横田 純一3、吉松 竜貴4 (1. 菅波医院・しろがねの里、2. 四條畷学園大学 リハビリテーション学部 リハビリテーション学科、3. 弘前大学大学院 保健学研究科 総合リハビリテーション科学領域、4. 東都大学 幕張ヒューマンケア学部 理学療法学科)
キーワード:
高齢者、下腿最大周径、カットオフ値
【はじめに、目的】
生活期療養高齢者を対象に、移乗動作時の抗重力活動の有無と下腿最大周径(MCC)の関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究は、先行研究(多施設横断研究)データの再解析である。対象は65歳以上の療養病棟入院高齢者および施設入所高齢者とした。FIM移乗項目2点以上を抗重力活動有り、2点未満を抗重力活動無しと定義し、対象を2群に分類した。抗重力活動の有無を従属変数、MCCを主な説明変数とするロジスティック回帰分析にて、抗重力活動とMCCの関連について検証した。さらにROC解析により、抗重力活動が無いことを判別するMCCのカットオフ値を算出した。
【結果】
解析対象者は38名(男性11名、女性27名、平均年齢86.8±8.0歳)であった。抗重力活動は、無し (FIM2点未満)が16名 (42.1%)、有り (FIM2点以上)が22名(57.9%)であった。MCCの中央値 (四分位範囲)は25.6(22.2-26.9)㎝であった。ロジスティック回帰分析の結果、MCCは抗重力活動が無いことと独立して関連していた(OR=0.621、95%CI:0.416–0.927、p=0.020)。ROC解析にて、抗重力活動が無いことを判別するMCCのカットオフ値は23.9 cmであり、AUCは0.754(95%信頼区間:0.591–0.917)、感度0.818、特異度0.688であった。
【考察】
抗重力活動が無いこととMCCが独立して関連していた背景には、移乗動作に伴う下肢の反復的な抗重力筋収縮が筋量維持に寄与している可能性が考えられる。抗重力活動が消失すると機械的刺激が減少し、下腿筋量の低下を介してMCCの低値につながると推察される。本研究で算出されたカットオフ値23.9cmは、地域在住高齢者を対象としたAWGS2019の基準より低値であり、生活期療養高齢者における現在の活動水準を反映する臨床的指標として解釈する必要がある。
【結論】
生活期療養高齢者において、抗重力活動が無いこととMCCは独立して関連していた。また、本研究で算出されたMCCのカットオフ値23.9 cmは、抗重力活動を生活に取り入れられるかを判別するための一つの目安となる可能性がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本試験はヘルシンキ宣言 (2013年10月修正)に基づく倫理的原則、及び「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」 (令和3年3月23日公布)を遵守し、実施した。同意取得に際しては、口頭および文書で患者本人に十分に説明し、本試験への参加について自由意志による同意を得た。また、本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた。
生活期療養高齢者を対象に、移乗動作時の抗重力活動の有無と下腿最大周径(MCC)の関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究は、先行研究(多施設横断研究)データの再解析である。対象は65歳以上の療養病棟入院高齢者および施設入所高齢者とした。FIM移乗項目2点以上を抗重力活動有り、2点未満を抗重力活動無しと定義し、対象を2群に分類した。抗重力活動の有無を従属変数、MCCを主な説明変数とするロジスティック回帰分析にて、抗重力活動とMCCの関連について検証した。さらにROC解析により、抗重力活動が無いことを判別するMCCのカットオフ値を算出した。
【結果】
解析対象者は38名(男性11名、女性27名、平均年齢86.8±8.0歳)であった。抗重力活動は、無し (FIM2点未満)が16名 (42.1%)、有り (FIM2点以上)が22名(57.9%)であった。MCCの中央値 (四分位範囲)は25.6(22.2-26.9)㎝であった。ロジスティック回帰分析の結果、MCCは抗重力活動が無いことと独立して関連していた(OR=0.621、95%CI:0.416–0.927、p=0.020)。ROC解析にて、抗重力活動が無いことを判別するMCCのカットオフ値は23.9 cmであり、AUCは0.754(95%信頼区間:0.591–0.917)、感度0.818、特異度0.688であった。
【考察】
抗重力活動が無いこととMCCが独立して関連していた背景には、移乗動作に伴う下肢の反復的な抗重力筋収縮が筋量維持に寄与している可能性が考えられる。抗重力活動が消失すると機械的刺激が減少し、下腿筋量の低下を介してMCCの低値につながると推察される。本研究で算出されたカットオフ値23.9cmは、地域在住高齢者を対象としたAWGS2019の基準より低値であり、生活期療養高齢者における現在の活動水準を反映する臨床的指標として解釈する必要がある。
【結論】
生活期療養高齢者において、抗重力活動が無いこととMCCは独立して関連していた。また、本研究で算出されたMCCのカットオフ値23.9 cmは、抗重力活動を生活に取り入れられるかを判別するための一つの目安となる可能性がある。
【倫理的配慮、説明と同意】
本試験はヘルシンキ宣言 (2013年10月修正)に基づく倫理的原則、及び「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」 (令和3年3月23日公布)を遵守し、実施した。同意取得に際しては、口頭および文書で患者本人に十分に説明し、本試験への参加について自由意志による同意を得た。また、本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受けた。
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