講演情報
[P4-02]認知症高齢者における運動前音楽療法のテンポと運動意欲の関連―被験者内反復測定データのベイズ階層解析―
*魚住 風花1、中口 拓真1、桑田 一記1、安丸 直希2、星野 好則1 (1. 星野クリニック、2. 大阪医療福祉専門学校)
キーワード:
音楽テンポ、運動意欲、Micro-Randomized Trial (MRT)
【目的】認知症患者では恐怖感などにより運動意欲が低下しやすく,その結果,生活機能の低下を招く可能性がある(Telenius EW, et al. 2022)。そのため,生活機能の維持,向上には運動意欲を高める介入が重要である。近年,運動時の音楽は身体および運動意欲に良好な影響を与えることが示されている (Wu J, et al.2022)。しかし,これらの研究は健常な成人を対象としていることに加え,音楽テンポに関する研究は限られており,テンポの違いが高齢認知症患者の運動意欲にどのような影響があるのかは十分に検討されていない。本研究では,運動前の音楽療法のテンポに着目し,音楽テンポの違いが認知症患者の運動意欲に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象はデイケアを利用する認知症患者18名(平均年齢87.3±3.8)とした。本研究は単群Micro-Randomized Trial(MRT)に基づく被験者内反復時系列介入研究であり,週一回の音楽療法を介入とした。デイケア開始直後に,童謡・唱歌・歌謡曲など計20曲をピアノで30分間演奏し,演奏終了直後に,運動意欲をNumerical Rating Scale(NRS)を用いて評価した。対象者には特別な指示を与えず音楽療法開始時より,座位で音楽を聴取させた。音楽テンポは,ハイテンポ(BPM150)および通常テンポ(BPM80)の2条件とし,1:1の比率でセッションごとにランダムに割り付けて演奏した。また,MMSEなどの対象者の基本属性を調査した。解析はベイズ推定により実施し,効果の大きさ,不確実性を推定した。
【結果】階層ベイズモデルによる推定の結果,音楽テンポの主効果(運動意欲NRS)の事後平均は−1.73であり,96.4%の確率で通常テンポ条件の方が運動意欲NRSを高める傾向が認められた。共変量については,MMSEの効果がβ=0.69(95%信用区間:0.05~2.35)と推定され,認知機能と運動意欲の関連が示唆された。一方で,年齢や性別,週次経過,安静時心拍数などの因子については関連が認められなかった。
【考察】本研究では,通常テンポが運動意欲に対して良好な影響を与えることが示唆された。音楽刺激強度とパフォーマンスの関係は中等度で最適となる特性が報告されており,通常テンポではこれらの特性が関与している可能性がある。一方,刺激の強度が高まると不安や違和感などのネガティブな情動反応が増強されることが報告されており(Ortner CNM, et al. 2016),ハイテンポ条件ではこれらの要因が運動意欲の低下に繋がった可能性がある。
【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言に基づき,対象者のプライバシーおよび個人情報の保護,研究の意義について説明を行い,書面にて同意を得た(倫理番号:25-70)。
【方法】対象はデイケアを利用する認知症患者18名(平均年齢87.3±3.8)とした。本研究は単群Micro-Randomized Trial(MRT)に基づく被験者内反復時系列介入研究であり,週一回の音楽療法を介入とした。デイケア開始直後に,童謡・唱歌・歌謡曲など計20曲をピアノで30分間演奏し,演奏終了直後に,運動意欲をNumerical Rating Scale(NRS)を用いて評価した。対象者には特別な指示を与えず音楽療法開始時より,座位で音楽を聴取させた。音楽テンポは,ハイテンポ(BPM150)および通常テンポ(BPM80)の2条件とし,1:1の比率でセッションごとにランダムに割り付けて演奏した。また,MMSEなどの対象者の基本属性を調査した。解析はベイズ推定により実施し,効果の大きさ,不確実性を推定した。
【結果】階層ベイズモデルによる推定の結果,音楽テンポの主効果(運動意欲NRS)の事後平均は−1.73であり,96.4%の確率で通常テンポ条件の方が運動意欲NRSを高める傾向が認められた。共変量については,MMSEの効果がβ=0.69(95%信用区間:0.05~2.35)と推定され,認知機能と運動意欲の関連が示唆された。一方で,年齢や性別,週次経過,安静時心拍数などの因子については関連が認められなかった。
【考察】本研究では,通常テンポが運動意欲に対して良好な影響を与えることが示唆された。音楽刺激強度とパフォーマンスの関係は中等度で最適となる特性が報告されており,通常テンポではこれらの特性が関与している可能性がある。一方,刺激の強度が高まると不安や違和感などのネガティブな情動反応が増強されることが報告されており(Ortner CNM, et al. 2016),ハイテンポ条件ではこれらの要因が運動意欲の低下に繋がった可能性がある。
【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言に基づき,対象者のプライバシーおよび個人情報の保護,研究の意義について説明を行い,書面にて同意を得た(倫理番号:25-70)。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
