講演情報
[P11-01]基本動作練習と入浴介助の見直しから介助負担感が軽減した事例ー21歳脊髄小脳変性症の訪問理学療法ー
*早友 綾子1 (1. 江東病院 訪問看護ステーションたんぽぽ)
キーワード:
介助負担感、介助指導、訪問理学療法
【はじめに】
「ノーマライゼーション」の理念に基づき在宅で生活する障害児(者)が増加したが、サポートするための社会的制度は不十分であり介護者の負担は大きい。また、在宅で生活する障害児(者)は母親の介護により生活していることが多く、障害の程度が重いほど介護者の精神的・身体的介護負担感が強いと言われる。一方で地域理学療法ガイドラインでは家族介護者への効果として訪問による理学療法は、「明確な推奨の提示はできない」とされる。本事例は脊髄小脳変性症でADL全般に介助を要し母親が主に介助を担う。母親の介助負担感を評価すると入浴介助に大きな負担感を抱えていた。訪問理学療法で基本動作練習と入浴動作の介助指導を実施した結果、入浴動作の介助負担感の軽減が図れたた経過と考察を報告する。
【事例紹介】
事例Aは21歳女性で6か月健診にて発達遅延と先天性眼振の指摘を受けた。2歳から児童発達支援事業所を利用し4歳で脊髄小脳変性症の診断を受けた。小学校から高校卒業まで肢体不自由特別支援学校へ就学し現在は生活介護事業所へ週5日通所する。社会的資源は身体障害者手帳1級と愛の手帳を取得する。家族構成は母親と父親の3人暮らし。主介護者は母親で父親も介護に協力的である。
【初回評価と問題点】
事例Aは、身長148㎝体重48㎏、BMS26点、日常生活自立度B2、Hb-LSA64点、BI20点、ADL全般に介助が必要である。簡単な日常会話の理解は可能で、嫌な時は頭を横に振り意思表示をする。母親は介護肯定感評価尺度49点、介護マスタリー尺度22点で、介護に対して前向きで習熟している認識を持つ。しかし、視覚的アナログスケールによる日常生活動作における介助負担度にて、入浴動作の介助は「非常に負担である(10)」と示した。
【介入内容と結果】
X年Y月より介入開始。四つ這い移動練習、立ち上がり練習、歩行練習を実施し、同時に介助方法を母親へ直接指導した。入浴動作練習は事例Aの協力が得られず、直接指導ができなかったため、浴室の環境確認と母親から介助方法を聴取し浴槽の跨ぎ動作の介助方法を母親に指導した。事例Aと母親で実践し、訪問時に状況を確認した。浴槽の跨ぎ動作を事例Aが浴槽に手を添えて跨ぎ、母親は支える介助に変えた。X年Y+6月に再評価にて結果、視覚的アナログスケールによる入浴動作の介助負担度が10から4.6へ軽減した。
【考察】
再評価時に母親は「子供の実力を知らず、子供が動く機会を制限していた」と話した。事例Aは小児から成人へ移行し、身体は成長し運動機能は発達したが、母親は幼少期から同じ介助方法を続けていたことが介助負担度を上げていたと考える。訪問理学療法は、対象者の基本動作能力を評価し適切な介助方法を主介護者へ伝えることにより介助負担感の軽減を図る可能性があると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
本事例報告にあたり、本人と家族に発表の目的と内容を説明し同意を得た。
「ノーマライゼーション」の理念に基づき在宅で生活する障害児(者)が増加したが、サポートするための社会的制度は不十分であり介護者の負担は大きい。また、在宅で生活する障害児(者)は母親の介護により生活していることが多く、障害の程度が重いほど介護者の精神的・身体的介護負担感が強いと言われる。一方で地域理学療法ガイドラインでは家族介護者への効果として訪問による理学療法は、「明確な推奨の提示はできない」とされる。本事例は脊髄小脳変性症でADL全般に介助を要し母親が主に介助を担う。母親の介助負担感を評価すると入浴介助に大きな負担感を抱えていた。訪問理学療法で基本動作練習と入浴動作の介助指導を実施した結果、入浴動作の介助負担感の軽減が図れたた経過と考察を報告する。
【事例紹介】
事例Aは21歳女性で6か月健診にて発達遅延と先天性眼振の指摘を受けた。2歳から児童発達支援事業所を利用し4歳で脊髄小脳変性症の診断を受けた。小学校から高校卒業まで肢体不自由特別支援学校へ就学し現在は生活介護事業所へ週5日通所する。社会的資源は身体障害者手帳1級と愛の手帳を取得する。家族構成は母親と父親の3人暮らし。主介護者は母親で父親も介護に協力的である。
【初回評価と問題点】
事例Aは、身長148㎝体重48㎏、BMS26点、日常生活自立度B2、Hb-LSA64点、BI20点、ADL全般に介助が必要である。簡単な日常会話の理解は可能で、嫌な時は頭を横に振り意思表示をする。母親は介護肯定感評価尺度49点、介護マスタリー尺度22点で、介護に対して前向きで習熟している認識を持つ。しかし、視覚的アナログスケールによる日常生活動作における介助負担度にて、入浴動作の介助は「非常に負担である(10)」と示した。
【介入内容と結果】
X年Y月より介入開始。四つ這い移動練習、立ち上がり練習、歩行練習を実施し、同時に介助方法を母親へ直接指導した。入浴動作練習は事例Aの協力が得られず、直接指導ができなかったため、浴室の環境確認と母親から介助方法を聴取し浴槽の跨ぎ動作の介助方法を母親に指導した。事例Aと母親で実践し、訪問時に状況を確認した。浴槽の跨ぎ動作を事例Aが浴槽に手を添えて跨ぎ、母親は支える介助に変えた。X年Y+6月に再評価にて結果、視覚的アナログスケールによる入浴動作の介助負担度が10から4.6へ軽減した。
【考察】
再評価時に母親は「子供の実力を知らず、子供が動く機会を制限していた」と話した。事例Aは小児から成人へ移行し、身体は成長し運動機能は発達したが、母親は幼少期から同じ介助方法を続けていたことが介助負担度を上げていたと考える。訪問理学療法は、対象者の基本動作能力を評価し適切な介助方法を主介護者へ伝えることにより介助負担感の軽減を図る可能性があると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
本事例報告にあたり、本人と家族に発表の目的と内容を説明し同意を得た。
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