講演情報

[P10-04]広島市における「通いの場」参加住民の転倒歴に関連する要因の調査

*兵頭 優幸1、片岡 誠1、村瀬 正昭2、濱脇 純一2 (1. 浜脇整形外科病院リハビリテーション科、2. 浜脇整形外科病院整形外科)
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キーワード:

介護予防、通いの場、転倒要因

【目的】広島市では、広島県より地域リハビリテーションサポートセンターの指定を受けた施設のリハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士:以下、療法士)が地域包括支援センターからの依頼により「通いの場」の立ち上げ支援を行っている。派遣された療法士は、住民が介護予防に興味を持ち効果的で安全な活動の場となるよう、導入講義・運動機能評価・運動指導を行っている。しかし、療法士の支援中における転倒報告や、参加住民から転倒したとの声を聞くことがある。参加者の属性および初回の身体機能と転倒との関連を調査することで、転倒リスクのスクリーニングになり、画一的な支援に止まらず転倒ハイリスク者への個別対応も可能になり得ると考える。そこで、本研究の目的は、広島市の「通いの場」参加住民の転倒に関連する要因を明らかにすることである。
【方法】対象は2022年4月から2024年10月に立ち上げた「通いの場」へ1年間継続参加した住民とした。評価項目は、初回参加時の年齢・性別・BMI・生活状態(外出頻度や歩行状態等)・過去1年間の転倒有無・転倒不安の有無・疼痛の有無、嚥下困難の有無、物忘れの有無、ロコモ5、Timed Up & Go Test(以下、TUG)・開眼片脚立位時間・30秒椅子立ち上がりテスト(以下、CS-30)及び、「通いの場」参加より1年以内の転倒の有無(以下、転倒経験)とした。初回参加時の評価項目を独立変数、転倒経験を従属変数とし、多重ロジスティック回帰分析を用いて解析を行った。転倒経験を状態変数とし、抽出された量的データの因子に対しROC曲線を作成し、Cut-off値を算出した。いずれも有意水準5%とした。
【結果】76例が包含され、転倒無群66例(男性14、女性52、平均年齢78.5±7.2歳)と転倒有群10例(男性2、女性8、平均年齢76.7±8.7歳)に分けられた。転倒発生率は13.2%であった。多重ロジスティック回帰分析の結果、開眼片脚立位時間(OR=1.03)、疼痛の有無(OR=5.33)、転倒不安の有無 (OR=0.28)が抽出された(modelχ²:p<0.05、Hosmer&Lemeshow:p=0.56)。Youden indexに基づくcut off値は、開眼片脚立位時間15秒(感度70.0%、特異度71.2%、AUC0.64)であった。
【考察】広島市の「通いの場」では、先行研究と同程度の転倒発生率を認めた。しかし、転倒リスクとして一般的に考えられるバランス不良や転倒不安はセーフティ・ファクターとして機能していると考えられ、バランス能力の高い場合に転倒リスクになり得ることが示唆された。「通いの場」における転倒予防としては、U字型の関連についても考慮が必要と考えられた。
【結論】広島市の「通いの場」参加住民は、疼痛がありバランス能力が高く転倒不安のない住民ほど転倒リスクが高かった。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承認を受け、参加者には文書にて説明と同意を得て実施した(承認番号:202312-17)。

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