講演情報

[P11-02]血液内科入院患者におけるHome Care Scoreの退院転帰予測および地域移行支援への有用性

*岡島 庸介1,2 (1. 山梨大学医学部附属病院 リハビリテーション部、2. 山梨大学大学院 疫学講座)
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キーワード:

Home Care Score、退院支援、血液腫瘍

【はじめに】がん罹患患者数は増加しているが、治療の進歩により血液腫瘍患者の生存率は向上している。そのため、退院後の生活を見据えた退院支援の重要性が高まっている。本研究は、血液内科入院患者の退院転帰に関連する因子を明らかにし、入院早期からの退院支援戦略の構築に資することを目的とした。
【方法】2022年2月1日から2025年4月30日までに、白血病・リンパ腫・多発性骨髄腫(初発、再発、増悪)により当院血液内科に入院し、リハビリテーションを実施した200名を対象とした。主要評価項目は退院転帰(自宅退院/転院)とした。評価項目としてHome Care Score(HCS)、Barthel Index(BI)、Performance Status(PS)、入院前ADL、年齢、在院日数を収集した。自宅退院群と転院群の2群で比較を行った。また、退院転帰に関連する因子をロジスティック回帰分析で検討した。ROC解析によりカットオフ値を算出し、Kaplan–Meier曲線およびLog–rank検定により自宅退院時期を評価した。有意水準は5%未満とした。
【結果】自宅退院は150例(75%)、転院は50例(25%)であった。自宅退院群ではHCS、BI、入院前ADLが高く、PSが低値であり、在院日数は短かった(P<0.01)。一方、転院群は高齢であった。 (P<0.01)ロジスティック回帰分析の結果、HCSは退院転帰に独立して関連する因子であった(OR 16.3、95%CI 5.3–56.7)。ROC解析ではAUC 0.88、カットオフ値10.5点(感度0.90、特異度0.76)であった。Kaplan–Meier解析ではHCS11点以上群で有意に早期の自宅退院を認めた (P<0.01)。
【考察】HCSは退院転帰および退院時期と関連し、血液内科入院患者における退院支援評価として有用であることが示された。HCSは身体機能のみならず家族支援や生活環境などの社会的要因を含む包括的指標であり、これらの社会的要因が退院転帰に影響した可能性がある。入院早期にHCSを評価することで、早期に退院可能性を予測し、家族支援や社会資源調整を含めた多職種連携を促進し、円滑な地域移行支援につながる可能性が示唆された。
【結論】HCSは、退院後の地域生活を見据えた退院支援指標として有用であり、急性期病院と地域をつなぐ情報共有ツールとなる可能性が示唆された。
【倫理的配慮】当大学倫理委員会(番号:2991)の承認を得た。
【説明と同意】当院ホームページ上にてオプトアウトを実施し、患者が同意撤回可能な体制を整備した。

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