講演情報

[O15-02]地域在住高齢者における双方向的デジタル利用と健康関連QOLの関連:潜在クラス分析による検討

*武田 広道1、竹島 英祐1、大森 さつき2、末政 典秀3、野口 雅弘1 (1. 北陸大学医療保健学部理学療法学科、2. 金沢市地域包括支援センターきたづか、3. 金沢市地域包括支援センターひろおか)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

高齢者、生活の質、デジタルヘルス

【はじめに、目的】
健康関連の生活の質(HRQOL)は,地域在住高齢者の健康寿命や生活自立度と関連する重要な指標である.近年,高齢者におけるデジタル利用とHRQOLとの関連が報告されているが,デジタル利用パターンを類型化して検討した研究は少ない.本研究の目的は,地域在住高齢者のデジタル利用パターンを潜在クラス分析(LCA)により分類し,HRQOLとの関連を明らかにすることである.
【方法】
本研究は地域在住高齢者2,500名への郵送調査による横断研究である.HRQOLはEuroQol 5 dimensions 5-level(EQ-5D-5L)で評価した.デジタル利用は,PC保有,スマートフォン保有,タブレット保有,インターネット利用,ビデオ通話利用,オンライン動画視聴の6項目について,「はい」「いいえ」の二値回答を用いてLCAを実施した.心理社会的要因としてヘルスリテラシーは12項目ヘルスリテラシー尺度,孤独感はUCLA孤独感尺度,一人の時間を肯定的に捉える傾向にはPositive Solitude Scale(PS),自己効力感にはGeneral Self-Efficacy Scale(GSES)を用いて評価した.LCAは2~5クラスモデルを比較し,適合度指標および解釈可能性を基に最適モデルを決定した.その後,従属変数をEQ-5D-5L,独立変数をデジタル利用クラスおよび心理社会的要因,調整変数を年齢,性別,独居,教育歴,年収とした階層的重回帰分析(強制投入法)を実施した.欠損値は多重代入法により処理し,有意水準は5%とした.
【結果】
698名(回答率27.9%)から回答があり,デジタル利用項目の欠損を除外した653名をLCA対象とした.3クラスモデルが最適と判断され,「デジタル利用限定群(n=307)」「情報取得中心群(n=150)」「双方向的デジタル利用群(n=196)」の3クラスが抽出された.階層的重回帰分析の結果,デジタルクラスを投入したモデルでは,双方向的デジタル利用群はデジタル利用限定群と比較してHRQOLと有意に関連しており(β=0.13,p<0.01),ヘルスリテラシーを追加してもその関連は維持された(β=0.10,p<0.05).しかし,孤独感,PS,GSESを投入したモデルではデジタルクラスは有意ではなくなり,孤独感(β=−0.26,p<0.01),ヘルスリテラシー(β=0.09,p<0.05),GSES(β=0.09,p<0.05)がHRQOLと有意に関連した.
【結論】
地域在住高齢者において,双方向的デジタル利用を特徴とするクラスは高いHRQOLと関連したが,その関連には孤独感や自己効力感等の心理社会的要因が関与していた.今後,高齢者におけるデジタル利用の普及が予測される中で,単なる情報取得だけでなく,社会的交流を伴うデジタル利用は,HRQOLの維持・向上に間接的に関連する可能性が示唆された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は筆頭演者が所属する機関の研究倫理審査委員会にて承認を受けた.対象者には研究内容を書面で説明し,質問紙の返送をもって同意を得た.

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン