講演情報

[S1-02]中年期におけるロコモティブシンドロームの推移と追跡時ロコモとの関連

*森田 泰裕1,2、中川 良2,3、新井 智之1,2、飛田 和基1,2、甘利 貴志1,2、石橋 英明4 (1. 埼玉医科大学保健医療学部理学療法学科、2. 大宮シティクリニック、3. 千葉大学大学院次世代予防医療創生講座、4. 伊奈病院整形外科)
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キーワード:

中年期、ロコモティブシンドローム、推移

【目的】ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)は移動機能低下の指標として広く用いられているが,中年期におけるロコモの推移は十分に明らかではない.本研究の目的は,健診・人間ドック受診者における中年期ロコモの推移を明らかにし,年齢階層による違いを検討するとともに,ベースラインロコモと追跡時ロコモとの関連を縦断的に検討することである.
【方法】対象は,2016年と2023年にロコモ評価を実施した健診・人間ドック受診者のうち,両時点のデータが対応可能な中年期(40~64歳)の10,224名(平均年齢49.3歳±6.2,男性6,194名,女性4,030名)とした.ロコモの判定には立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25を用いた.ベースラインおよび追跡時のロコモ該当の有無により,非ロコモ維持,新規ロコモ,改善,ロコモ持続の4群に分類した.さらに年齢を5歳毎に層別し,推移割合を比較した.また,ベースラインロコモの有無を独立変数,追跡時ロコモを従属変数とするロジスティック回帰分析を行い,年齢,性別,BMIで調整した.副次解析として,ベースラインロコモ該当者における改善の関連因子も検討した.
【結果】ベースラインのロコモ該当者は1,958名(19.1%),追跡時は1,751名(17.1%)であった.ロコモ推移は,非ロコモ維持7,283名(71.2%),新規ロコモ992名(9.7%),改善1,199名(11.7%),ロコモ持続759名(7.4%)であった.ベースラインロコモ該当者の61.2%は改善し,38.8%は持続した.推移割合は年齢階層により有意に異なり(p<0.001),若年層ほど非ロコモ維持および改善の割合が高く,高年齢層ほど新規ロコモおよびロコモ持続の割合が高かった.ベースラインロコモ該当者に限定した解析でも,改善と持続の割合は年齢階層により異なり(p=0.002),改善割合は40~44歳で66.9%,60~64歳で50.9%であった.ロジスティック回帰分析の結果,ベースラインロコモは追跡時ロコモと有意に関連し,年齢・性別・BMI調整後もOR 4.33(95%CI 3.87-4.86,p<0.001)であった.また,ベースラインロコモ該当者では,年齢が高いほど改善しにくかった(OR 0.965,95%CI 0.951-0.979,p<0.001). 【考察】中年期ロコモの推移は年齢階層により異なり,若年層ほど改善しやすく,高年齢層ほど新規発生や持続が多かった.また,ベースラインロコモは追跡時ロコモと独立して関連しており,中年期ロコモは将来的な移動機能低下のリスク指標となる可能性が示された.
【結論】健診・人間ドック受診者における中年期ロコモの推移は年齢階層により異なり,若年層ほど改善割合が高かった.また,ベースラインロコモは追跡時ロコモと有意に関連していた.中年期から継続的に移動機能を評価する重要性が示唆された. 【倫理的配慮、説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に則って実施し,埼玉医科大学倫理委員会の承認を得た.対象者には研究の説明を行い,同意を得た.

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