講演情報
[P14-05]閉じこもりリスクを有する独居高齢者への個別面談と多職種連携による地域接続支援
-通所Cにおける一症例-
*向出 高広1 (1. 北総白井病院 リハビリテーション科)
キーワード:
多職種連携、地域接続、通所C
【はじめに】
白井市では2024年度より短期集中予防サービス(以下、通所C)を開始した。本事業はセルフマネジメントの促進と地域接続により、住み慣れた地域で自分らしく暮らす支援を目的としている。本報告では、閉じこもりリスクを有する独居高齢者に対し、個別面談による正しい自己認識の形成と多職種連携による段階的地域接続を実施し、他者交流の形成に至った一例を紹介する。
【症例紹介】
単身独居の事業対象者で日常生活は自立しているが、他者交流はほとんどなく生きがいの喪失を自覚していた。初対面での対人緊張が強く、自ら距離を置く対処行動をとっていたため、閉じこもりおよび活動性低下による要介護化が危惧された。担当理学療法士(筆頭演者)とは過去に入院リハビリテーションを通じた信頼関係があり、介入導入は円滑であった。
【介入内容と結果】
白井市の通所Cは12週間・週1回、セルフマネジメントシートを用いた個別面談形式で実施される。介入初期の目標は調理に関する内容であったが、面談の深化により他者交流への潜在的ニーズが顕在化した。そこで個別面談では、①他者と交流したいという本音の認識、②対人摩擦という課題の認識、③初対面を乗り越えれば交流可能という事実の認識、④実際の成功体験、の4段階をポジティブフィードバックにより促した。多職種連携としては、1ヵ月目に担当者が仲介役として通所C内の交流を支援し、2ヵ月目には生活支援コーディネーターと連携して地域サロンへの受け入れ準備を整え、3ヵ月目にはケアマネジャーと連携し地域サークルの初回参加に同行した。結果として段階的な地域接続が実現し通所C終了5ヵ月後もサロンおよびサークルへの参加が継続されている。
【考察】
他者交流の形成に至った要因として、正しい自己認識の形成と多職種による段階的支援の両面が相補的に機能したことが挙げられる。個別面談を通じたポジティブフィードバックは、自己効力感の漸次的向上をもたらし、行動変容の基盤を形成したと考えられる。また、信頼できる支援者が仲介役として初対面場面に介入する手法は、対人緊張の高い対象者における交流促進に有効であり、ケアマネジャー・生活支援コーディネーターとの役割分担によって段階的交流と継続的接続を実現させた。本事例は、従来のリハビリテーションとは異なる、面談・行動変容・地域接続を統合したアプローチの有用性を示しており、今後は市と連携し対多数の地域接続を可能とする効果的な介入を模索し、介護給付費の抑制を含む持続可能な地域共生社会の構築に発展させていきたい。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は筆頭演者が所属する施設の倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:26-2)。また、対象者には事前に書面および口頭にて十分説明し同意を得た。
白井市では2024年度より短期集中予防サービス(以下、通所C)を開始した。本事業はセルフマネジメントの促進と地域接続により、住み慣れた地域で自分らしく暮らす支援を目的としている。本報告では、閉じこもりリスクを有する独居高齢者に対し、個別面談による正しい自己認識の形成と多職種連携による段階的地域接続を実施し、他者交流の形成に至った一例を紹介する。
【症例紹介】
単身独居の事業対象者で日常生活は自立しているが、他者交流はほとんどなく生きがいの喪失を自覚していた。初対面での対人緊張が強く、自ら距離を置く対処行動をとっていたため、閉じこもりおよび活動性低下による要介護化が危惧された。担当理学療法士(筆頭演者)とは過去に入院リハビリテーションを通じた信頼関係があり、介入導入は円滑であった。
【介入内容と結果】
白井市の通所Cは12週間・週1回、セルフマネジメントシートを用いた個別面談形式で実施される。介入初期の目標は調理に関する内容であったが、面談の深化により他者交流への潜在的ニーズが顕在化した。そこで個別面談では、①他者と交流したいという本音の認識、②対人摩擦という課題の認識、③初対面を乗り越えれば交流可能という事実の認識、④実際の成功体験、の4段階をポジティブフィードバックにより促した。多職種連携としては、1ヵ月目に担当者が仲介役として通所C内の交流を支援し、2ヵ月目には生活支援コーディネーターと連携して地域サロンへの受け入れ準備を整え、3ヵ月目にはケアマネジャーと連携し地域サークルの初回参加に同行した。結果として段階的な地域接続が実現し通所C終了5ヵ月後もサロンおよびサークルへの参加が継続されている。
【考察】
他者交流の形成に至った要因として、正しい自己認識の形成と多職種による段階的支援の両面が相補的に機能したことが挙げられる。個別面談を通じたポジティブフィードバックは、自己効力感の漸次的向上をもたらし、行動変容の基盤を形成したと考えられる。また、信頼できる支援者が仲介役として初対面場面に介入する手法は、対人緊張の高い対象者における交流促進に有効であり、ケアマネジャー・生活支援コーディネーターとの役割分担によって段階的交流と継続的接続を実現させた。本事例は、従来のリハビリテーションとは異なる、面談・行動変容・地域接続を統合したアプローチの有用性を示しており、今後は市と連携し対多数の地域接続を可能とする効果的な介入を模索し、介護給付費の抑制を含む持続可能な地域共生社会の構築に発展させていきたい。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は筆頭演者が所属する施設の倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:26-2)。また、対象者には事前に書面および口頭にて十分説明し同意を得た。
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