講演情報

[P7-04]希少がん術後症例におけるホームエクササイズ遵守率と自己効力感の推移ー行動変容技法を用いた介入ー

*藤井 美次1 (1. JCHO徳山中央病院 リハビリテーションセンター)
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キーワード:

希少がん、ホームエクササイズ遵守率、自己効力感

【はじめに】
ホームエクササイズ(以下、HE)は疾患管理に重要であるが、遵守率の低さが課題とされている(Jackら、2010)。遵守には自己効力感が深く関与する一方、希少がん術後症例では回復経過や機能予後に関する情報が限られており、運動継続や自己効力感の形成に身体的・心理的要因が複雑に影響する可能性がある。そこで本症例に対し、行動変容技法であるセルフモニタリングとフィードバックを導入した経過を報告する。
【症例】
症例は60歳代女性。X-1年12月に左大腿部筋肉内腫瘍(希少がん)に対し外側広筋広範囲切除術を施行された。ADLは自立していたが、創部痛および股・膝関節ROM制限により起立・歩行・階段昇降が制限されていた。X年2月より外来リハビリテーションを開始し、3月からは週1回介入とHEを併用した。
【方法】
X年3月よりHEカレンダーによるセルフモニタリングを実施し、外来時にフィードバックを行った。評価項目はHE遵守率、股・膝関節屈曲AROM-t、TUG、10m歩行速度、NRSとした。また、4月よりSEHEPS日本語版(山崎ら,2022)を用いてHEにおける自己効力感を月1回評価した。
【結果】
X年3~6月にかけてHE遵守率は100%を維持した。股・膝関節AROM-t、TUG、10m歩行速度およびNRSは改善し、起立・歩行・階段昇降動作の向上を認めた。一方、SEHEPSは経時的な改善を認めず、高いHE遵守率とは異なる推移を示した。
【考察】
本症例では高いHE遵守率を維持したにもかかわらず、自己効力感の経時的改善は認められなかった。外側広筋欠損に伴う慢性的な重だるさや代償性疼痛に加え、希少がん術後で回復経過や予後に関する情報が限られていたことが、自己効力感の形成に影響した可能性がある。また、行動の定着が必ずしも心理的自信の向上と並行しない可能性が示された。
【結論】
希少がん術後である本症例では、高いHE遵守率を維持した一方で自己効力感の向上は認められず、行動の定着と自己効力感の変化は必ずしも一致しない可能性が示唆された。外来リハビリテーションでは運動実施状況の確認に加え、身体症状や自己効力感の変化を継続的に把握し、心理面にも配慮した支援を行うことが重要と考える。
【倫理的配慮】
症例本人には書面にて内容を説明し、症例報告を行うことの同意を得た。

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