講演情報
[P6-02]介護老人保健施設入所者における在宅復帰に関する要因の探索的検討―決定木分析による検討―
*塩田 麻人1、岩本 英了2、澤内 裕樹1、中島 洋巳1、松井 明1、岡田 千紘1、土屋 謙仕3、木村 典子2、皆川 幸光2 (1. JCHO群馬中央病院附属介護老人保健施設、2. JCHO群馬中央病院 リハビリテーション部、3. 長野保健医療大学 保健科学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻)
キーワード:
介護老人保健施設、在宅復帰、決定木分析
【はじめに、目的】介護老人保健施設入所者における在宅復帰には、身体機能、認知機能、介護度、家族支援体制など多様な要因が関与すると報告されている。しかし、対象者や評価指標、分析手法は異なるため、一致した見解は得られていない。また、多くの先行研究では回帰分析が用いられており、複数要因の条件分岐を視覚的に示すことには限界がある。そこで本研究では、決定木分析を用いて当施設入所者における在宅復帰に関する条件分岐構造を探索的に検討した。
【方法】対象者は2024年4月から2025年3月までに当施設へ入所した者とした。短期入所利用のみの者、転帰先が未確定であった者は除外とした。調査項目は年齢、性別、入所元、転帰先、入所日数、介護度、入所利用歴の有無、短期入所利用の有無、同居者の有無、入所時のBMI、ICFステージングおよび阿部式BPSDとして、後方視的に調査した。転帰先は、在宅復帰群(在宅、有料老人ホーム入所者)および非在宅復帰群(特養入所者、入所中の入院および死亡)に分類した。在宅復帰の関連因子を検討するため、決定木分析を実施し、10分割交差検証を用いてモデルの妥当性を評価した。
【結果】対象者100名のうち16名を除外し、84名を解析対象者とした。解析対象者の平均年齢は89.1±8.1歳、性別は女性61名(72.6%)、在宅復帰群は39名(88.5±8.0歳、女性84.6%)、非在宅復帰群は45名(89.5±8.2歳、女性62.2%)であった。決定木分析の結果、入所利用歴の有無、同居者の有無、性別が関連因子として抽出された。入所利用歴なし群44名(89.6±8.9歳、女性75.0%)およびあり群40名(88.5±7.1歳、女性70.0%)の在宅復帰率はそれぞれ59.1%、32.5%であった。入所利用歴あり群では同居者の有無および性別が抽出され、同居者なし群30名(88.8±7.1歳、女性80.0%)の在宅復帰率は8.0%と最も低かった。一方、入所利用歴なし群では性別が抽出され、女性の在宅復帰率は67.0%と最も高かった。10分割交差検証の結果、AUC0.60、正答率50.3%、感度43.3.%、特異度56.0%、陽性的中率42.0%、F値45.7%であった。
【結論】本研究では、決定木分析により在宅復帰に対する複数要因の条件分岐を可視化することができた。特に入所利用歴は在宅生活の継続困難さや介護力不足を間接的に反映している可能性がある。一方で、10分割交差検証ではAUC、正答率、感度、特異度、陽性的中率およびF値はいずれも低値であり、予測精度は十分に示されなかった。 今後は、本研究で評価対象としなかった身体機能、認知機能および栄養状態等の個人要因に加え、家族の意向や介護力等の社会・環境要因を含めた分析や、サンプル数の増加、他の統計手法との比較検討を行い、予測精度の向上を図る必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は群馬中央病院倫理審査委員会の承認を得た上で実施した(承認番号:2026-007)。オプトアウトを実施し、参加拒否の機会を設けた。得た情報は匿名化した。
【方法】対象者は2024年4月から2025年3月までに当施設へ入所した者とした。短期入所利用のみの者、転帰先が未確定であった者は除外とした。調査項目は年齢、性別、入所元、転帰先、入所日数、介護度、入所利用歴の有無、短期入所利用の有無、同居者の有無、入所時のBMI、ICFステージングおよび阿部式BPSDとして、後方視的に調査した。転帰先は、在宅復帰群(在宅、有料老人ホーム入所者)および非在宅復帰群(特養入所者、入所中の入院および死亡)に分類した。在宅復帰の関連因子を検討するため、決定木分析を実施し、10分割交差検証を用いてモデルの妥当性を評価した。
【結果】対象者100名のうち16名を除外し、84名を解析対象者とした。解析対象者の平均年齢は89.1±8.1歳、性別は女性61名(72.6%)、在宅復帰群は39名(88.5±8.0歳、女性84.6%)、非在宅復帰群は45名(89.5±8.2歳、女性62.2%)であった。決定木分析の結果、入所利用歴の有無、同居者の有無、性別が関連因子として抽出された。入所利用歴なし群44名(89.6±8.9歳、女性75.0%)およびあり群40名(88.5±7.1歳、女性70.0%)の在宅復帰率はそれぞれ59.1%、32.5%であった。入所利用歴あり群では同居者の有無および性別が抽出され、同居者なし群30名(88.8±7.1歳、女性80.0%)の在宅復帰率は8.0%と最も低かった。一方、入所利用歴なし群では性別が抽出され、女性の在宅復帰率は67.0%と最も高かった。10分割交差検証の結果、AUC0.60、正答率50.3%、感度43.3.%、特異度56.0%、陽性的中率42.0%、F値45.7%であった。
【結論】本研究では、決定木分析により在宅復帰に対する複数要因の条件分岐を可視化することができた。特に入所利用歴は在宅生活の継続困難さや介護力不足を間接的に反映している可能性がある。一方で、10分割交差検証ではAUC、正答率、感度、特異度、陽性的中率およびF値はいずれも低値であり、予測精度は十分に示されなかった。 今後は、本研究で評価対象としなかった身体機能、認知機能および栄養状態等の個人要因に加え、家族の意向や介護力等の社会・環境要因を含めた分析や、サンプル数の増加、他の統計手法との比較検討を行い、予測精度の向上を図る必要がある。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は群馬中央病院倫理審査委員会の承認を得た上で実施した(承認番号:2026-007)。オプトアウトを実施し、参加拒否の機会を設けた。得た情報は匿名化した。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
