講演情報

[O10-04]慢性腰痛を有する中高齢者における24時間行動と心理的ストレス,主観的健康感・幸福感の横断的関連

*長澤 康弘1,2、石井 香織3、柴田 愛4、岡 浩一朗3 (1. 帝京平成大学 健康医療スポーツ学部、2. 早稲田大学スポーツ科学研究センター、3. 早稲田大学スポーツ科学学術院、4. 筑波大学体育系)
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キーワード:

慢性腰痛、24時間行動、心理状態,主観的幸福感

【はじめに、目的】
慢性腰痛は身体的問題に加え,心理的ストレスの増加や主観的健康感・幸福感の低下を招き,社会参加を制限する.近年,有疾患者の身体活動促進には,睡眠や座位行動を含めた24時間行動全体のバランスを考慮する重要性が指摘されている.しかし,慢性腰痛者における24時間行動と心理状態との関連は十分に検討されていない.本研究の目的は,慢性腰痛を有する中高齢者の24時間行動と心理的ストレス,主観的健康感・幸福感との横断的関連を明らかにすることである.
【方法】
3カ月以上の非特異的腰痛を有する50歳以上の105名(71.6歳,女性63.8%)を対象とした.オピオイド処方中,屋外歩行非自立,認知症,要介護認定者は除外した.アウトカムは心理的ストレス(K6 5点以上),主観的健康感,主観的幸福感を2値化して評価した.睡眠は質問票,座位行動(SB),低強度身体活動(LPA),中高強度身体活動(MVPA)は3軸加速度計を用いて7日間測定した.解析は年齢,性別,教育歴,喫煙・飲酒習慣,腰痛強度,腰痛持続期間を調整した組成データ解析によるロジスティック回帰分析およびisotemporal substitution model(IS model)を用いた.
【結果】
24時間行動の平均は睡眠481分,SB549分,LPA349分,MVPA31分であった.組成データ解析の結果,主観的健康感との関連は認められなかった.一方,MVPA割合が高いほど心理的ストレスが低く(OR 0.51,95%CI 0.28–0.92),睡眠割合が高いほど高い主観的幸福感と負の関連を示した(OR 0.20,95%CI 0.001–0.821).IS modelでは,睡眠,SB,LPAを10~30分MVPAへ置き換えることで,高い心理的ストレスの確率が4.7~10.17%低下すると予測された.主観的幸福感では有意差を認めなかったが,睡眠からLPAまたはMVPAへの置き換えで改善傾向がみられた.
【考察】
MVPA割合が高いほど心理的ストレスが低く,睡眠,SB,LPAの一部をMVPAへ再配分することで心理的ストレスが軽減する可能性が示された.また,主観的幸福感については睡眠からLPAまたはMVPAへの置き換えが有効である可能性が示唆された.本研究の結果は,慢性腰痛者に対するペーシングにおける24時間行動の時間配分を検討する際の参考になる可能性がある.
【結論】
慢性腰痛を有する中高齢者では,MVPAへの時間配分を増やすことが良好な心理状態と関連する可能性が示唆された.また,睡眠時間の一部をLPAまたはMVPAへ再配分することが主観的幸福感の向上に有効である可能性が示された.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は医療法人社団誠和会長谷川病院研究倫理委員会の承認を受けて実施した.対象者には十分な説明を行い,同意を得た.

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