講演情報

[P13-04]通所リハビリテーションを利用する要支援者におけるヘルスリテラシーと介護度変化の関連:後方視的研究

*末廣 優太1、小俣 慶太朗1、兎澤 良輔2 (1. ケアタウンゆうゆう リハビリテーション部、2. SBC東京医療大学 健康科学部 理学療法学科)
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キーワード:

ヘルスリテラシー、介護予防、通所リハビリテーション

【はじめに,目的】 ヘルスリテラシー(以下HL)とは,健康情報を獲得・理解・評価・活用し,自身の健康維持・向上に向けた意思決定を行う能力である.HLは身体活動量や身体機能と関連することが報告されており,健康維持のために重要な指標である.しかし,要支援者を対象にHLと要介護度変化との関連を検討した報告は少ない.本研究は,要支援者を対象に介護度変化とHLの関連を明らかにすることを目的とした.

【方法】 対象は,1年間継続して通所リハビリテーション利用中の16名とした.対象者を過去1年間の介護度変化に基づき,要支援状態を維持した群(維持群:9名)と要介護状態へ移行した群(移行群:7名)に分類した.評価項目は現在の年齢,HDS-R,HLS-14とし,HL総得点および下位尺度(機能的,伝達的,批判的)の群間比較を行った.統計解析はJASP(ver.0.95.4)を用い,正規性確認後に全項目にウェルチのt検定を用いた.また,効果量としてCohen's dを算出し,有意水準は5%未満とした.

【結果】 年齢,HDS-Rに有意差は認められなかった.HLの平均値は,HL総得点(維持群:57.8±9.3,移行群:47.5±10.9),機能的HL(維持群:21.6±3.7,移行群:19.2±4.5),伝達的HL(維持群:20.4±3.2,移行群:16.4±5.2),批判的HL(維持群:15.7±3.0,移行群:11.8±5.3)であった. 群間比較の結果,HL総得点(p=0.070, d=1.013),機能的HL(p=0.283,d=0.575),伝達的HL(p=0.108, d=0.917),批判的HL(p=0.120, d=0.895)の各指標において,移行群に比べ維持群で高値を示した.

【考察】群間比較では有意差に至らなかったが,維持群においてHLが高い傾向と,中等度から大きな効果量が認められた.維持群では健康情報を適切に理解・活用し,健康行動や身体活動を継続できたことで健康状態を維持できた可能性が考えられる.一方,本研究は現在のHLを測定した横断的評価であり,移行群が要介護状態となり社会参加や身体活動量が減少した結果,HLが低下した逆の因果関係も否定できない.また,小規模調査であり検出力が十分でなかった可能性がある.今後は対象者数を増やし,身体機能との関連を詳細に検討し,身体活動量や運動習慣等を含めた縦断的調査により,HLが介護度や身体機能に及ぼす影響について検証する必要がある.

【結論】 要支援高齢者において, 現在のヘルスリテラシーと介護度の変化には関連がある可能性が示唆された.

【倫理的配慮,説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に基づき,対象者に対して研究の目的,方法,個人情報の保護,およびデータの取り扱いについて書面を用いて十分な説明を行い,同意を得て実施した.

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