講演情報
[O13-02]虚弱高齢者における身体活動量と転倒恐怖感の関連 -身体機能を含む検討-
*德田 篤人1、山﨑 志信1、菅 俊光1、野村 卓生2、浅井 剛2 (1. 関西医科大学総合医療センター リハビリテーション科、2. 関西医科大学 リハビリテーション学部)
キーワード:
転倒恐怖感、身体活動量、虚弱高齢者
【目的】
高齢者において、身体活動量の維持は健康寿命の延伸や要介護予防の観点から重要である。しかし、多くの高齢者は推奨される身体活動量を満たしていない。身体活動量には様々な要因が影響を及ぼすが、なかでも転倒恐怖感(Fear of Falling: FOF)は理学療法によって改善可能な要因として注目されている。先行研究では、身体機能の低下およびFOFが身体活動量の低下と関連することが報告されている。しかし、FOFと身体活動量との関連が身体機能の違いによって異なるかどうかについては十分に検討されていない。特に虚弱高齢者では身体機能低下を背景として身体活動は制限されやすく、FOFと身体機能が相互に関連しながら身体活動量に影響を及ぼしている可能性が考えられる。そこで、本研究では、虚弱高齢者における身体活動量に対するFOFおよび身体機能の関連性と、それらの相互作用について検討した。
【方法】
対象は要支援・要介護認定を受けた通所介護施設を利用している65歳以上の高齢者60名とした。対象者には三軸加速度計(ActiGraph wGT3X-BT)を8日間、非利き手に装着してもらい、その期間の歩数を計測した。身体活動量には、貸出日と返却日を除く4日以上、10時間/日以上を有効日と設定しその期間の平均歩数を採用した。FOFはFalls Efficacy Scale International(FES-I)、身体機能はTimed Up and Go Test(TUG)を用いて評価した。質問紙を用いて補助具使用の有無、転倒歴等を聴取した。平均歩数を従属変数、FES-I、TUG、FES-IとTUGの交互作用項を説明変数とし、調整変数として年齢、性別を設定し一般線形モデルを構築した。統計解析にはJMP(ver.19.0.4)を使用し、有意水準は5%とした。
【結果】
適格基準を満たした54名(年齢79.5±6.9歳、男性19名、女性35名)を解析対象とした。対象者の装着期間の1日の平均歩数は8713±2645歩、TUGは10.5±3.9秒、FES-Iは38.4±11.7であった。一般線形モデルの結果、TUG(標準化β=-0.408、p=0.005)は平均歩数と有意な負の関連を示したが、FES-I(標準化β=0.256、p=0.06)及び交互作用項(p=0.82)には有意な関連を認めなかった(自由度調整R²=0.163)。
【考察】
本研究の結果から、身体機能低下が身体活動量の低下に影響する可能性が示唆された。一方で、FOFは身体活動量と有意な関連を認めなかったものの、関連を示唆する傾向を認めており、その影響については今後検討を要する。また、FOFとTUGの交互作用は認められなかったことから、身体機能がFOFと身体活動量の関連を修飾する可能性は低いと考えられる。虚弱高齢者の身体活動量の維持には、身体機能への優先的なアプローチが重要である可能性が示唆された。
【倫理的配慮】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき、所属する施設の倫理審査委員会(承認番号:2025261)の承認を得て実施した。研究協力者には書面及び口頭にて研究目的や方法について説明し、自由意志のもと書面で同意を得た。
高齢者において、身体活動量の維持は健康寿命の延伸や要介護予防の観点から重要である。しかし、多くの高齢者は推奨される身体活動量を満たしていない。身体活動量には様々な要因が影響を及ぼすが、なかでも転倒恐怖感(Fear of Falling: FOF)は理学療法によって改善可能な要因として注目されている。先行研究では、身体機能の低下およびFOFが身体活動量の低下と関連することが報告されている。しかし、FOFと身体活動量との関連が身体機能の違いによって異なるかどうかについては十分に検討されていない。特に虚弱高齢者では身体機能低下を背景として身体活動は制限されやすく、FOFと身体機能が相互に関連しながら身体活動量に影響を及ぼしている可能性が考えられる。そこで、本研究では、虚弱高齢者における身体活動量に対するFOFおよび身体機能の関連性と、それらの相互作用について検討した。
【方法】
対象は要支援・要介護認定を受けた通所介護施設を利用している65歳以上の高齢者60名とした。対象者には三軸加速度計(ActiGraph wGT3X-BT)を8日間、非利き手に装着してもらい、その期間の歩数を計測した。身体活動量には、貸出日と返却日を除く4日以上、10時間/日以上を有効日と設定しその期間の平均歩数を採用した。FOFはFalls Efficacy Scale International(FES-I)、身体機能はTimed Up and Go Test(TUG)を用いて評価した。質問紙を用いて補助具使用の有無、転倒歴等を聴取した。平均歩数を従属変数、FES-I、TUG、FES-IとTUGの交互作用項を説明変数とし、調整変数として年齢、性別を設定し一般線形モデルを構築した。統計解析にはJMP(ver.19.0.4)を使用し、有意水準は5%とした。
【結果】
適格基準を満たした54名(年齢79.5±6.9歳、男性19名、女性35名)を解析対象とした。対象者の装着期間の1日の平均歩数は8713±2645歩、TUGは10.5±3.9秒、FES-Iは38.4±11.7であった。一般線形モデルの結果、TUG(標準化β=-0.408、p=0.005)は平均歩数と有意な負の関連を示したが、FES-I(標準化β=0.256、p=0.06)及び交互作用項(p=0.82)には有意な関連を認めなかった(自由度調整R²=0.163)。
【考察】
本研究の結果から、身体機能低下が身体活動量の低下に影響する可能性が示唆された。一方で、FOFは身体活動量と有意な関連を認めなかったものの、関連を示唆する傾向を認めており、その影響については今後検討を要する。また、FOFとTUGの交互作用は認められなかったことから、身体機能がFOFと身体活動量の関連を修飾する可能性は低いと考えられる。虚弱高齢者の身体活動量の維持には、身体機能への優先的なアプローチが重要である可能性が示唆された。
【倫理的配慮】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき、所属する施設の倫理審査委員会(承認番号:2025261)の承認を得て実施した。研究協力者には書面及び口頭にて研究目的や方法について説明し、自由意志のもと書面で同意を得た。
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