講演情報

[P9-03]加速度計を用いた要支援・要介護高齢者における身体活動の構成と生活空間の関連

*明神 早甫1、高芝 潤2、森岡 周3 (1. 近森病院 理学療法科、2. 近森リハビリテーション病院 理学療法科、3. 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター)
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キーワード:

3軸加速度計、身体活動、生活空間

【はじめに】日本の高齢者は覚醒時間の約60%を座位で過ごしており、座位時間の長さはうつや転倒リスク、移動能力の低下と関連することが報告されている。特に要支援・要介護高齢者では身体活動量の低下が生活範囲の縮小に直結しやすく、生活空間(Life-Space Assessment:LSA)の維持・拡大は自立支援の観点から重要な課題である。先行研究では身体機能とLSAの関連が示されているが、加速度計を用いた客観的指標による検討や行動構成に着目した研究は少なく、要支援・要介護高齢者に特化した知見の蓄積が求められている。本研究は加速度計を用いて、座位・立位・歩行時間とLSAとの関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は訪問リハビリテーションを利用する地域在住の要支援・要介護認定高齢者14名(平均年齢81.5±7.8歳)とした。身体活動は、3軸加速度計を内蔵した活動量計(Active style Pro HJA-750C、オムロン社製)を左腰に1週間装着し測定した。同機器から出力される活動強度(METs)および姿勢判定データに基づき、日中(9〜18時)の座位時間(1.5METs以下)、立位時間、歩行時間を算出した。また、24時間の総座位時間もあわせて算出した。連続60分以上の無活動(0.9METs以下)は非着用時間と定義した。1日10時間以上の装着を有効計測日とし、週末1日を含む4日以上のデータが存在する対象者を分析した。生活空間はLSAで評価した。Shapiro–Wilk検定にて複数変数で正規性が棄却されたこと、および小標本であることを考慮し、各変数とLSAとの関連にはSpearmanの順位相関係数を用いた(有意水準p<0.05)。
【結果】LSAは24時間座位時間(ρ=-0.604, p=0.025)、日中座位時間(ρ=-0.618, p=0.021)と有意な負の相関、日中立位時間(ρ=0.590, p=0.026)と有意な正の相関を示した。日中歩行時間とLSAとの間に有意な相関は認められなかった(ρ=0.480, p=0.081)。 【考察】座位時間が長いほど生活空間が狭く、立位時間が長いほど広いという結果は、行動構成が生活空間と密接に関連することを示す。生活空間の維持・拡大には座位時間の短縮と立位時間の確保を意識した介入が有効である可能性がある。歩行時間が有意な相関を示さなかった点は、対象者の歩行時間が全体的に短く、身体機能の低下により歩行量が生活空間に反映されにくかった可能性が考えられる。複数の相関を同時に検定しており多重比較の影響に留意が必要であり、対象者数が少なく横断研究であるため因果関係の解釈には慎重を要する。
【結論】要支援・要介護高齢者において、座位・立位時間はLSAと有意に関連し、行動構成に基づく評価が介入検討に有用であることが示された。
【倫理的配慮、説明と同意】本研究は所属機関の倫理審査を受け、対象者に研究目的と内容を説明し書面にて同意を得た。

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