講演情報

[P6-03]通所リハビリテーション利用者の嚥下機能に対する介入効果の検討 
LIFEフィードバックを活用した後方視的研究

*久米 裕介1、吉田 清人1、藤川 祥樹1、河合 信栄1 (1. 愛知県済生会リハビリテーション病院)
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キーワード:

通所リハビリ、LIFEフィードバック、嚥下体操

【目的】
2024年度介護報酬改定で求められた科学的介護情報システム(以下:LIFE)のフィードバックを活用し、通所リハビリテーション利用者の嚥下機能改善に対する介入効果を検討した。LIFEデータより、当院利用者のADL等は全国平均を上回る一方、「むせ」の割合が高いことが明らかとなり、嚥下機能低下への対応が課題として抽出された。嚥下障害は誤嚥性肺炎のリスクを高め、生活の質の低下に関与するため、当院では予防目的に嚥下機能練習および自主トレーニング指導を実施してきた。その介入効果を後方視的に検討した。
【方法】
対象は口腔・栄養項目のむせありに該当した27名(平均年齢77.0±9.5歳)とした。介入は個別リハビリにて頭部挙上練習を30~60秒×3セット実施し、自主トレーニングとして開口練習、おでこ体操、舌出し体操を1日2-3セット実施するよう指導した。嚥下機能評価には反復唾液嚥下テスト(以下:RSST)および簡易嚥下評価票(以下:EAT-10)を用い、初回と3か月後で比較した。統計解析にはWilcoxon符号付順位検定を用い、有意水準は5%とした。
【結果】
RSSTは中央値3から4へ増加し、嚥下機能低下疑いの割合は29.6%から25.9%へ減少した。EAT-10は中央値5から4へ低下し、嚥下障害疑いの割合も70.4%から66.7%へ減少した。しかし、いずれも統計学的有意差は認められなかった(RSST p=0.19、EAT-10 p=0.21)。EAT-10では、「食べる時に咳が出る」「飲み込む時に食べ物が喉に引っかかる」「錠剤を飲み込む時に余分な努力が必要」の項目で回答が多かった。自主トレーニング実施率は69%であった。
【考察】
有意差が得られなかった要因として、対象者数の少なさや疾患背景の多様性、自主トレーニングの実施頻度のばらつきが考えられた。一方で、嚥下関連筋群を強化する運動介入によりRSSTの改善傾向が認められ、一定の効果が示唆された。また、EAT-10の結果から咽頭期の機能低下が残存している可能性があり、運動療法に加えて姿勢調整や食形態指導など多面的介入の必要性が示された。
【結語】
LIFEフィードバックの活用は当院の課題を客観的に把握し、具体的な介入へ結びつける上で有用であった。通所リハにおける継続的な嚥下機能への介入は、誤嚥性肺炎予防および在宅生活支援の観点から重要であり、科学的介護の実践として意義があると考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は愛知県済生会リハビリテーション病院倫理委員会(承認番号:202502)を得て行った。また、ヘルシンキ宣言に基づき調査データの取り扱いに際しては、プライバシー保護に留意し、匿名化した上で、データ管理責任者が一元的に管理を行った。

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