講演情報

[O11-03]地域在住高齢者における転倒恐怖感と身体機能の関連 ―転倒歴の有無による検討―

*島野 優1,2、久保田 圭祐3、阿部 高家1,4、那須 高志1,5,6、小澤 真美子1,4、澤入 彩佳1,4、原田 理恵1,4、上田 寛人1,4、濱口 豊太3、古澤 浩生1,7 (1. 越谷市リハビリテーション連絡協議会、2. 埼友クリニック リハビリテーション科、3. 埼玉県立大学 研究開発センター、4. リハビリテーション天草病院 リハビリ部、5. 越谷誠和病院 リハビリテーション科、6. 弘前大学大学院 保険医療学研究科、7. リハビリテーション天草病院 リハ事業推進部)
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キーワード:

通いの場、転倒、転倒恐怖感

【はじめに、目的】
過去の転倒歴や転倒恐怖感(以下、FoF)は将来の転倒リスクを高める主要因子であり、転倒を契機にFoFが生じ、身体機能等が低下することで更なる転倒を助長する転倒後症候が知られている。一方で、転倒を経験せずFoFが生じる場合もあり、また、転倒後に必ずしもFoFが生じるわけではない。本研究は転倒歴の有無それぞれにおけるFoFの割合、およびFoFと身体機能の関連性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は、2016年から2023年に埼玉県越谷市の住民通いの場に参加し、身体機能評価を完遂した地域在住高齢者386例とした。評価項目は、年齢、性別、BMI、Timed Up and Go test(以下、TUG)、30秒椅子立ち上がりテスト(以下、CS30)とした。過去1年間の転倒歴および評価時のFoFの有無により、対象者を①Nonfall-NonFoF群、②Nonfall-FoF群、③Fall-NonFoF群、④Fall-FoF群の4群に分類した。統計解析には一元配置分散分析、カイ二乗検定を用い、有意水準は5%とした。
【結果】
過去1年間の転倒経験者は全体の21%であった。FoFは非転倒者の44%、転倒者の68%に生じていた。4群の分布は、①群171例(44%)、②群134例(35%)、③群26例(7%)、④群55例(14%)であった。4群間において年齢、BMIに有意差は認められなかった。①と比較し②は男性が有意に少なかった(男性①群22%、②群8%、③群15%、④群15%、p=0.006)。TUGは①群(6.3±1.6秒)と比較し、②群(6.9±1.9秒)および④群(7.5±2.2秒)に有意に遅かった(p<0.001)。CS30は①群(23.1±5.6回)と比較して、その他3群(②群21.4±6.0回、③群18.5±4.7回、④群19.0±5.9回)のすべてにおいて有意に低かった(p<0.001)。③群と④群の間に身体機能の有意差は認められなかった。
【考察】
転倒未経験者において、FoFとTUGおよびCS30で評価した身体機能に有意な関連が認められ、身体機能低下の自覚がFoFとして表出している可能性が考えられた。一方、転倒を経験した高齢者においては、FoFと身体機能に有意な関連性は認められず、FoFと例えば転倒時の負傷の程度や転倒回数、または住環境の状況など、今回評価できていない身体機能以外の要因が関連している可能性が考えられた。
【結論】
地域在住高齢者において、特に転倒未経験者においてFoFと身体機能の関連性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
所属施設における倫理審査会で承認後に実施した(承認番号:22037)。また、研究協力者には書面及び口頭にて研究目的や方法について説明し、自由意志のもと、書面で同意を得た。

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