講演情報
[O8-02]要介護高齢者における睡眠障害は将来的な入院と関連する
*本田 浩也1、芦澤 遼太2、亀山 裕斗3、平瀬 達哉1、吉本 好延4 (1. 神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 リハビリテーション学科、2. 常葉大学 保健医療学部 理学療法学科、3. 聖隷クリストファー大学大学院 リハビリテーション科学研究科、4. 聖隷クリストファー大学 リハビリテーション学部 理学療法学科)
キーワード:
睡眠、入院、要介護高齢者
【はじめに、目的】
要介護高齢者における睡眠状態は重要な健康指標の一つである。高齢期における睡眠障害は心身機能低下との関連が報告されているものの、要介護高齢者の睡眠障害が将来的な入院の予測因子となり得るかどうかは不明である。本研究では、要介護高齢者における睡眠障害と将来的な入院との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究は、静岡県内の通所系サービスを利用する要支援・要介護認定を受けた高齢者105名を対象とした36か月間の前向きコホート研究である。睡眠状態はPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)を用いて評価し、入院情報は3か月ごとに通所系サービスのカルテを確認し収集した。統計解析は、時間変数に入院までの期間、イベント変数に入院の有無、説明変数にPSQI総得点および各下位項目(主観的睡眠の質、入眠時間、睡眠時間、睡眠効率、睡眠困難、睡眠薬使用、日中覚醒困難)、共変量に年齢、性別、併存疾患を投入したCox比例ハザード分析を行った。さらに、臨床的解釈を容易にするために、先行研究でカットオフ値が報告されているPSQI総得点(5/6点)と睡眠効率(84/85%)について2群化し、Kaplan–Meier曲線の作成及びlog-rank検定を実施した。解析ソフトはIBM SPSS version28を用い、有意水準は5%とした。
【結果】
参加者105名(平均年齢84.0±7.3歳、女性69名)の内24名(22.9%)が追跡期間中に入院した。年齢、性別、併存疾患を調整したCox比例ハザード分析の結果、PSQI総得点(HR=1.169,95%CI:1.059–1.290,p=0.002)、睡眠時間(HR=1.549,95%CI:1.088–2.205,p=0.015)、睡眠効率(HR=1.468,95%CI:1.063–2.029,p=0.020)は入院と有意な関連を認めた。log-rank検定では、PSQI6点以上群(p=0.003)および睡眠効率85%未満群(p=0.004)でそれぞれ有意に高い入院累積発生率を示した。
【考察】
要介護高齢者において睡眠の質(PSQI総得点)や睡眠時間ならびに睡眠効率の低下は入院と関連していた。先行研究では、高齢期における睡眠障害は身体活動量や運動機能、認知機能、心理状態などの低下と関連することが報告されていることから、これらを介して入院リスクを高めた可能性が考えられる。
【結論】
要介護高齢者の睡眠状態に着目することは、入院リスクの把握ならびに予防戦略の構築において有用な可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に則り実施した。全ての参加者に対して研究目的や内容などについて口頭及び書面にて説明し、同意を得た。また、本研究は聖隷クリストファー大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:21056)。
要介護高齢者における睡眠状態は重要な健康指標の一つである。高齢期における睡眠障害は心身機能低下との関連が報告されているものの、要介護高齢者の睡眠障害が将来的な入院の予測因子となり得るかどうかは不明である。本研究では、要介護高齢者における睡眠障害と将来的な入院との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究は、静岡県内の通所系サービスを利用する要支援・要介護認定を受けた高齢者105名を対象とした36か月間の前向きコホート研究である。睡眠状態はPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)を用いて評価し、入院情報は3か月ごとに通所系サービスのカルテを確認し収集した。統計解析は、時間変数に入院までの期間、イベント変数に入院の有無、説明変数にPSQI総得点および各下位項目(主観的睡眠の質、入眠時間、睡眠時間、睡眠効率、睡眠困難、睡眠薬使用、日中覚醒困難)、共変量に年齢、性別、併存疾患を投入したCox比例ハザード分析を行った。さらに、臨床的解釈を容易にするために、先行研究でカットオフ値が報告されているPSQI総得点(5/6点)と睡眠効率(84/85%)について2群化し、Kaplan–Meier曲線の作成及びlog-rank検定を実施した。解析ソフトはIBM SPSS version28を用い、有意水準は5%とした。
【結果】
参加者105名(平均年齢84.0±7.3歳、女性69名)の内24名(22.9%)が追跡期間中に入院した。年齢、性別、併存疾患を調整したCox比例ハザード分析の結果、PSQI総得点(HR=1.169,95%CI:1.059–1.290,p=0.002)、睡眠時間(HR=1.549,95%CI:1.088–2.205,p=0.015)、睡眠効率(HR=1.468,95%CI:1.063–2.029,p=0.020)は入院と有意な関連を認めた。log-rank検定では、PSQI6点以上群(p=0.003)および睡眠効率85%未満群(p=0.004)でそれぞれ有意に高い入院累積発生率を示した。
【考察】
要介護高齢者において睡眠の質(PSQI総得点)や睡眠時間ならびに睡眠効率の低下は入院と関連していた。先行研究では、高齢期における睡眠障害は身体活動量や運動機能、認知機能、心理状態などの低下と関連することが報告されていることから、これらを介して入院リスクを高めた可能性が考えられる。
【結論】
要介護高齢者の睡眠状態に着目することは、入院リスクの把握ならびに予防戦略の構築において有用な可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に則り実施した。全ての参加者に対して研究目的や内容などについて口頭及び書面にて説明し、同意を得た。また、本研究は聖隷クリストファー大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:21056)。
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