講演情報

[P15-05]自身の生きがいを再認識しIADLが改善した通所リハビリテーションの症例

*金内 武尊1,2、吉田 純一3,2、元田 奈々子4、松田 卓也1,2 (1. 青洲の里 通所リハビリ、2. 福岡青洲会病院 リハビリテーション部、3. 青洲の里 訪問リハビリテーション、4. 介護老人保健施設 青洲の里)
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キーワード:

カナダ作業遂行測定、通所リハビリテーション、意欲

【はじめに】脊椎圧迫骨折後、夫の不安によりIADLが制限されていた症例に対し、通所リハビリテーション(以下、通所リハビリ)でカナダ作業遂行測定(COPM)を用いて評価、介入した結果、主体的な活動参加とIADL機能の向上を認めたため報告する。【症例紹介】70歳代女性。夫と一軒家、二人暮らし。病前はADL・IADLともに自立し外出も行っていた。自宅玄関で転倒し脊椎圧迫骨折を受傷。保存療法後96病日目に退院し、要介護2認定のもと100病日目より通所リハビリを週3回利用開始した。本症例は退院後、徐々に入院前の生活を送れると思われていた。しかし、再転倒に対する心配が夫に強くあり、家事や外出を制限されていた。【評価】初期(100病日目)→最終(190病日目)、NRS(起居時腰痛)4→0、TUG(左/右)29.5秒/25.5秒→14.3秒/13.6秒、BBS41→46、FAI0→10、COPM(重要度/遂行度/満足度)外出8/0/0→8/0/0、掃除7/0/0→7/3/4、食事準備・片付け6/0/0→6/8/8、洗濯5/0/0→5/10/10【介入内容・結果】COPMを用いて病前の生活や現在の思いを聴取し、本人の希望に基づき目標を設定した。時折悲観的な発言があり、リハビリテーションへの意欲が出ず、傾聴をしながら介入する場面もあった。家事動作に対して段階的に介入し、腰部負担を考慮して掃除はクイックルワイパーを使用した。下膳や食器洗い、洗濯物干しは早期に自立し、その後は通所リハビリ内で役割活動として継続した。担当者会議や定期的な情報共有を通して夫へ身体状況や訓練内容を説明した。その結果、本症例のIADL動作に対する自信の向上、自宅内での再転倒に対する夫の不安が軽減し、自宅での食器洗いや洗濯、掃除など一部IADL再開が可能となった。しかし、外出に関しては夫の不安が残り制限は継続したままとなった。COPMを通しても外出以外の項目に関しては遂行度、満足度は向上したが、外出は変化がない結果となった。【考察】本症例は身体機能が一定の回復をしていたにもかかわらず、夫の不安による活動制限から家庭内での役割喪失や意欲低下を認めていた。COPMにより「家事をしたい」「役割を持ちたい」という本人のニーズが明確となり、本人主体の目標設定につながった。また、実生活に近い役割活動を反復し成功体験を積み重ねたことで、自信や満足感の向上が得られたと考える。さらに、家族への情報共有により環境調整を行ったことで、自宅でのIADL再開につながり、COPMおよびFAIの改善を認めた。一方、外出は改善を認めず、今後は本人・家族双方への心理的支援を含めた段階的介入が必要と考えられた。本症例より、退院後の生活再建には身体機能への介入だけでなく、本人が意味を感じる活動への参加支援と家族を含めた環境調整が重要であることが示唆された。【倫理的配慮】個人情報保護と発表について対象者に口頭・書面にて説明し承認を得た。

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