講演情報

[P14-07]生活期下肢装具ユーザーの継続支援に向けた装具相談窓口の役割と多職種連携

*野﨑 潤一郎1、萬代 陽介1、末次 亮平1、中村 理沙1 (1. 嶋田病院 リハビリテーション部)
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キーワード:

生活期、下肢装具、多職種連携

【はじめに】
生活期の下肢装具ユーザーは、身体機能の変化や装具の劣化というリスクを抱えているが、長年使い慣れた装具を変えることに対し抵抗感を持つことも多い。当院では2023年より「装具相談窓口」を開設した。今回、これまでの運用の経過から、対象者本人や地域スタッフとどのように関わり、医師の処方に繋げるための提案を行ってきたか、その役割について考察し報告する。
【経過】
2023年3月〜2026年3月までの窓口利用者の経過を振り返った。装具窓口開設にあたり、周知活動として、院内ポスター掲示やホームページでの案内に加え、地域のケアマネジャーへの研修会や、施設への訪問対応、再作製の相談に関して、相談者が他施設でリハビリテーションを行っている場合は、その施設の担当理学療法士・作業療法士(以下:PT・OT)と意見交換を行った。
【結果】
相談件数は40件で、内容はベルト交換や滑り止め交換などの修理が22件。装具再作製の相談が15件。車椅子の作製、歩行器の購入など下肢装具以外の相談が3件だった。義肢装具士との連携や施設へ訪問し状態確認後、調整へ繋ぎ対応することで多くの方は大きなトラブルなく経過した。一方で、装具の形態変更を提案したものの本人が現状維持を希望された事例や装具の形態変更後の微調整のため複数回の施設訪問によるフォローアップを要した事例があった。現状維持を希望された症例に関しては、身体機能の変化に伴い予測されるリスクを伝えた上で本人の希望を優先した。結果、1年半後に足底の胼胝形成を機に再度当窓口へ紹介となった。この時点で本人の納得が得られ、医師の処方による装具の形態変更へ繋がった。
【考察】
阿部らは、生活期の脳卒中患者に関わる機会が多い職種としてケアマネジャーを挙げており、施設への訪問、現場のPT・OTとの意見交換は単なる情報共有にとどまらず、「何かあればあの窓口に相談すればいい」という今後の相談のための周知活動に繋がるだけでなく、地域の多職種との「顔の見える関係」を築いておくことが窓口へのアクセス性向上に繋がると考える。また、装具の形態変更など大きな決断が必要なケースでは、リスクや必要性の提案は行うが一旦は本人の意思を優先し、需要の準備ができるまで「待つ」ことも重要な支援プロセスであることが示唆された。久米は、装具ユーザーを取り巻く環境や、関わるスタッフの知識不足が「装具格差」の原因になると述べている。今後も当窓口の活動を継続し、地域のリハビリスタッフや多職種と連携しながら困った時にいつでも相談できる窓口としての活動が「装具格差」軽減に繋がると考える。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は、ヘルシンキ宣言に準じて倫理的配慮に基づきデータを取り扱った。また、経過を提示した症例に関しては症例及び家族に説明を行い、書面にて同意を得た。

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