講演情報
[O13-03]自主グループ活動参加プレフレイル高齢者における役割保有の関連要因
*中村 睦美1、中井 真吾2 (1. 東都大学幕張ヒューマンケア学部、2. 静岡産業大学スポーツ科学部)
キーワード:
高齢者自主グループ、プレフレイル、役割保有
【目的】
高齢者の自主グループ活動における役割保有は、生きがいや社会参加と関連することが報告されている。一方、プレフレイル高齢者において、役割保有者の特徴は十分に明らかではない。本研究の目的は、自主グループ活動に参加するプレフレイル高齢者を対象に、役割保有に関連する要因を明らかにすることである。
【方法】
対象者は、地域の住民主体の自主グループ活動に参加する高齢者265名のうち、プレフレイルと判定された139名である。解析に必要な項目に欠損のない126名を分析対象とした。身体機能評価として、握力、5回立ち上がりテスト、5m歩行時間、Timed Up and Go testを測定した。質問紙調査では、基本チェックリスト(KCL)、生きがい意識尺度(Ikigai-9)、Life-Space Assessment(LSA)、活動での役割について調査した。フレイル判定には日本版CHS基準(J-CHS)を用いた。役割については、「リーダー・世話役・連絡係」または「会計・会場予約係・会場準備係」を役割あり群、「参加のみ」を役割なし群とした。役割あり群と役割なし群の比較にはMann-Whitney U検定およびχ²検定を用いた。さらに、役割保有を従属変数とし、群間比較で有意差を認めたKCL下位項目(IADL、運動器機能)、生きがい、LSAを説明変数、年齢区分および性別を調整変数として投入した二項ロジスティック回帰分析を実施した。有意水準は5%とした。
【結果】
分析対象126名(男性25名、女性101名)のうち、役割あり群は38名、役割なし群は88名であった。群間比較では、性別、握力、KCL総得点、Ikigai-9、LSAに有意差を認めた。KCL下位項目の比較では、IADL(p=0.026)および運動器機能(p=0.003)に有意差を認めた。二項ロジスティック回帰分析の結果、IADL(OR=0.503、95%CI:0.273–0.928、p=0.028)および運動器機能(OR=0.670、95%CI:0.459–0.977、p=0.038)が役割保有と有意に関連した。一方、生きがい、LSAは有意な関連を認めなかった。
【考察】
プレフレイル高齢者において、役割保有にはIADLおよび運動器機能が独立して関連した。自主グループ活動で役割を担うためには、活動運営を遂行する生活機能が必要と考えられる。一方、群間比較では生きがいやLSAにも差を認めたが、多変量解析では有意な関連を認めなかった。このことから、役割保有と生きがいおよびLSAとの関連には、生活機能や性別などの影響が含まれている可能性が考えられる。
【結論】
自主グループ活動に参加するプレフレイル高齢者において、役割保有にはIADLおよび運動器機能が関連していた。地域理学療法では、生活機能の維持・向上とともに、地域活動への継続的な参加や役割保有を支援する視点が重要であることが示唆された。
【倫理的配慮】
本研究は,所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得て行った(承認番号:S24006)。すべての対象者には測定開始前に研究の趣旨の説明を行い,署名を得た。
高齢者の自主グループ活動における役割保有は、生きがいや社会参加と関連することが報告されている。一方、プレフレイル高齢者において、役割保有者の特徴は十分に明らかではない。本研究の目的は、自主グループ活動に参加するプレフレイル高齢者を対象に、役割保有に関連する要因を明らかにすることである。
【方法】
対象者は、地域の住民主体の自主グループ活動に参加する高齢者265名のうち、プレフレイルと判定された139名である。解析に必要な項目に欠損のない126名を分析対象とした。身体機能評価として、握力、5回立ち上がりテスト、5m歩行時間、Timed Up and Go testを測定した。質問紙調査では、基本チェックリスト(KCL)、生きがい意識尺度(Ikigai-9)、Life-Space Assessment(LSA)、活動での役割について調査した。フレイル判定には日本版CHS基準(J-CHS)を用いた。役割については、「リーダー・世話役・連絡係」または「会計・会場予約係・会場準備係」を役割あり群、「参加のみ」を役割なし群とした。役割あり群と役割なし群の比較にはMann-Whitney U検定およびχ²検定を用いた。さらに、役割保有を従属変数とし、群間比較で有意差を認めたKCL下位項目(IADL、運動器機能)、生きがい、LSAを説明変数、年齢区分および性別を調整変数として投入した二項ロジスティック回帰分析を実施した。有意水準は5%とした。
【結果】
分析対象126名(男性25名、女性101名)のうち、役割あり群は38名、役割なし群は88名であった。群間比較では、性別、握力、KCL総得点、Ikigai-9、LSAに有意差を認めた。KCL下位項目の比較では、IADL(p=0.026)および運動器機能(p=0.003)に有意差を認めた。二項ロジスティック回帰分析の結果、IADL(OR=0.503、95%CI:0.273–0.928、p=0.028)および運動器機能(OR=0.670、95%CI:0.459–0.977、p=0.038)が役割保有と有意に関連した。一方、生きがい、LSAは有意な関連を認めなかった。
【考察】
プレフレイル高齢者において、役割保有にはIADLおよび運動器機能が独立して関連した。自主グループ活動で役割を担うためには、活動運営を遂行する生活機能が必要と考えられる。一方、群間比較では生きがいやLSAにも差を認めたが、多変量解析では有意な関連を認めなかった。このことから、役割保有と生きがいおよびLSAとの関連には、生活機能や性別などの影響が含まれている可能性が考えられる。
【結論】
自主グループ活動に参加するプレフレイル高齢者において、役割保有にはIADLおよび運動器機能が関連していた。地域理学療法では、生活機能の維持・向上とともに、地域活動への継続的な参加や役割保有を支援する視点が重要であることが示唆された。
【倫理的配慮】
本研究は,所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得て行った(承認番号:S24006)。すべての対象者には測定開始前に研究の趣旨の説明を行い,署名を得た。
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