講演情報

[O13-04]地域在住高齢者における疼痛の部位と健康関連アウトカムとの関連性

*佐々木 さくら1、本田 浩也2、平瀬 達哉2 (1. 神奈川県立保健福祉大学大学院、2. 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科)
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キーワード:

高齢者、疼痛の部位、健康関連アウトカム

【はじめに、目的】
地域在住高齢者における疼痛は、運動・認知機能や心理状況などといった様々な健康関連アウトカムに負の影響を及ぼすことが示されている。しかしながら、高齢期に頻発する頚・腰背部痛や下肢痛といった疼痛の部位の違いが健康関連アウトカムに及ぼす影響については明らかとなっていない。本研究ではこの点を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は神奈川県みらい未病コホート研究ならびに足柄上研究に参加した65歳以上の地域在住高齢者324名(男性93名、女性231名、平均75.0歳)とした。疼痛は「4週間以上持続する身体の痛みはありますか」といった質問によって評価し、「はい」と回答した者にその部位を身体図にて聴取した。健康関連アウトカムは運動機能(5回椅子起立時間、TUG、握力)、認知機能(DSST)、栄養状態(MNA-SF)、心理状況(GDS-15、Short FES-I)、睡眠状態(PSQI)を評価した。統計解析は、対象者を疼痛の有無別に分類するとともに、その部位により、頚・腰背部痛、下肢痛の有無別に分類し、それぞれ2群間で健康関連アウトカムを比較した。その後、従属変数に部位別疼痛の有無、独立変数に群間比較で有意差を認めた項目、共変量に年齢、性別、BMIを投入したロジスティック回帰分析を行った。
【結果】
対象者の内、疼痛群は109名(33.6%)、頚・腰背部痛群は54名(16.7%)、下肢痛群は64名(19.8%)であった。ロジスティック回帰分析の結果、頚・腰背部痛は、GDS-15高値(OR:1.14,95%CI:1.02-1.26)、Short FES-I高値(OR:1.07,95%CI:1.00-1.15)、PSQI高値(OR:1.10,95%CI:1.01-1.21)と有意な関連を認め、下肢痛はTUG高値(OR:1.29,95%CI:1.05-1.60)、GDS-15高値(OR:1.15,95%CI:1.04-1.28)と有意な関連を認めた。
【結論】
地域在住高齢者における頚・腰背部痛と下肢痛は共通してうつ徴候と関連するが、その部位の違いに着目すると、頚・腰背部痛は転倒自己効力感の低下や睡眠障害、下肢痛は運動機能の低下と関連することが明らかとなった。したがって、地域在住高齢者における疼痛は、その部位によって健康関連アウトカムに及ぼす影響が異なり、疼痛の部位の特性に応じた評価・介入の必要性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者にはヘルシンキ宣言の趣旨に沿い本研究の主旨及び目的について口頭と書面にて説明し同意を得た。具体的には、全ての対象者に対し自由意思による参加であること、研究参加を拒否した場合でも不利益を被らないこと等を事前説明した。なお、本研究は所属機関の研究倫理審査委員会にて承認(承認番号:保第10-24-33号)を得て実施した。

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