講演情報
[ST1-03]Timed Up & Go Testと歩行試験のメンタルクロノメトリーと転倒との関連
*白石 桜1、岡﨑 瑠那1、小堀 千夏1、服部 未来1、堀内 美言1、篠原 智行1 (1. 高崎健康福祉大学 保健医療学部理学療法学科)
キーワード:
メンタルクロノメトリー、地域在住高齢者、転倒
【目的】
運動イメージが低い高齢者ほど転倒リスクが高いことが報告されている。imagined Timed Up & Go test(TUG)と転倒との関連や歩行試験のメンタルクロノメトリー(MC)と転倒との関連性が示されているが、TUGと歩行試験のMCを比較したものは少ない。そこで本研究では、実測時間に対するMCの誤差割合が地域在住高齢者の転倒歴と関連するかを明らかにすることを目的とした。なお、MCの評価には、実測時間に対する想像時間の誤差割合(過大評価・過小評価を含む)と、その絶対値の2つの指標を用いた。
【方法】
本研究は横断研究で行った。対象は地域在住高齢者167名(平均年齢75.5歳、女性119名)とした。過去1年の転倒歴をアンケートにて聴取し、転倒群と非転倒群に分けた。TUGと4m歩行試験の実測時間と想像時間をそれぞれ測定し、(実測時間-想像時間)/実測時間×100(%)をMCの誤差とした。また、誤差を絶対値で表したものを絶対誤差とした。転倒関連因子として握力を評価した。バランスはBrief-Balance Evaluation Systems Testを用いて評価した。解析では対応のないt検定と多重ロジスティック回帰分析を実施した。多重ロジスティック回帰分析では、従属変数を転倒の有無、独立変数をTUG誤差、歩行誤差、TUG絶対誤差、歩行絶対誤差の4種類のいずれか、共変量を握力、性別、バランスとして転倒と関連する指標を検討した。
【結果】
転倒群は36名、非転倒群は131名であった。転倒群/非転倒群の中央値(第一-第三四分位範囲)はTUG誤差27.4(6.44-30.5)%/24.5(11.1-40.3)%、歩行誤差-25.4(-43.3--1.68)%/-12.7(-29.6-4.32)%、TUG絶対誤差27.4(9.60-30.5)%/25.2(12.5-40.3)%、歩行絶対誤差25.4(6.44-43.3)%/19.9(9.81-32.2)%であった。
対応のないt検定では、TUG誤差、TUG絶対誤差、歩行絶対誤差では有意差は認められず、歩行誤差のみで有意差が認められた(p=0.020)。
多重ロジスティック回帰分析では、TUG誤差と歩行誤差が有意であった(TUG誤差:OR=0.978、95%CI=0.958-0.998、p=0.034、歩行誤差:OR=0.986、95%CI=0.974-0.998、p=0.023)。一方、TUG絶対誤差、歩行絶対誤差はいずれも有意ではなかった。
【考察】
TUGでは想像時間よりも実測時間の方が長く、歩行試験では実測時間よりも想像時間の方が長かった。また、TUGと歩行試験のMCにおいて、絶対誤差でなく符号を含めた誤差に意味があると考えられる。これらよりTUGのMCの過小評価、歩行試験のMCの過大評価が転倒しやすさと関連する可能性が示唆された。地域在住高齢者に対する転倒予防では、TUGと歩行試験のMCを評価する重要性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は高崎健康福祉大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:2564)。対象者には研究説明を行い、署名による同意を取得した。
運動イメージが低い高齢者ほど転倒リスクが高いことが報告されている。imagined Timed Up & Go test(TUG)と転倒との関連や歩行試験のメンタルクロノメトリー(MC)と転倒との関連性が示されているが、TUGと歩行試験のMCを比較したものは少ない。そこで本研究では、実測時間に対するMCの誤差割合が地域在住高齢者の転倒歴と関連するかを明らかにすることを目的とした。なお、MCの評価には、実測時間に対する想像時間の誤差割合(過大評価・過小評価を含む)と、その絶対値の2つの指標を用いた。
【方法】
本研究は横断研究で行った。対象は地域在住高齢者167名(平均年齢75.5歳、女性119名)とした。過去1年の転倒歴をアンケートにて聴取し、転倒群と非転倒群に分けた。TUGと4m歩行試験の実測時間と想像時間をそれぞれ測定し、(実測時間-想像時間)/実測時間×100(%)をMCの誤差とした。また、誤差を絶対値で表したものを絶対誤差とした。転倒関連因子として握力を評価した。バランスはBrief-Balance Evaluation Systems Testを用いて評価した。解析では対応のないt検定と多重ロジスティック回帰分析を実施した。多重ロジスティック回帰分析では、従属変数を転倒の有無、独立変数をTUG誤差、歩行誤差、TUG絶対誤差、歩行絶対誤差の4種類のいずれか、共変量を握力、性別、バランスとして転倒と関連する指標を検討した。
【結果】
転倒群は36名、非転倒群は131名であった。転倒群/非転倒群の中央値(第一-第三四分位範囲)はTUG誤差27.4(6.44-30.5)%/24.5(11.1-40.3)%、歩行誤差-25.4(-43.3--1.68)%/-12.7(-29.6-4.32)%、TUG絶対誤差27.4(9.60-30.5)%/25.2(12.5-40.3)%、歩行絶対誤差25.4(6.44-43.3)%/19.9(9.81-32.2)%であった。
対応のないt検定では、TUG誤差、TUG絶対誤差、歩行絶対誤差では有意差は認められず、歩行誤差のみで有意差が認められた(p=0.020)。
多重ロジスティック回帰分析では、TUG誤差と歩行誤差が有意であった(TUG誤差:OR=0.978、95%CI=0.958-0.998、p=0.034、歩行誤差:OR=0.986、95%CI=0.974-0.998、p=0.023)。一方、TUG絶対誤差、歩行絶対誤差はいずれも有意ではなかった。
【考察】
TUGでは想像時間よりも実測時間の方が長く、歩行試験では実測時間よりも想像時間の方が長かった。また、TUGと歩行試験のMCにおいて、絶対誤差でなく符号を含めた誤差に意味があると考えられる。これらよりTUGのMCの過小評価、歩行試験のMCの過大評価が転倒しやすさと関連する可能性が示唆された。地域在住高齢者に対する転倒予防では、TUGと歩行試験のMCを評価する重要性が示された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は高崎健康福祉大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:2564)。対象者には研究説明を行い、署名による同意を取得した。
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